糠平ダム

糠平ダム（ぬかびらダム）

糠平ダムは、北海道十勝総合振興局管内の上士幌町に位置する、音更川中流部に建設された重要なダムです。このダムは大雪山国立公園に属し、その美しい自然と共存しています。

基本情報

糠平ダムは、十勝糠平系電源一貫開発計画に基づいて建設され、電源開発が管理しています。すべての機能が発電専用として設計されており、水力発電を通じて道東地域における重要な電源の役割を果たしています。ダムの湛水面積は道内で3位、貯水量は4位であり、十勝川水系のダムの中では首位の湛水面積および貯水量を誇ります。また、ダムの堤高は3位です。

このダムによって形成された人造湖は糠平湖（ぬかびらこ）で、観光地としても人気があります。湖は自然の美しさとレクリエーションの場を提供しており、多くの人々が訪れます。

歴史と重要な出来事

糠平ダムの建設には様々な歴史的背景があります。1955年の3月4日には、第9トンネル工事現場での落盤事故が発生し、9名の作業員が命を落としました。そして、1956年にダムは完成しました。

その後、2016年には十勝地方に集中豪雨が襲い、これを受けて糠平ダムの嵩上げについての検討が始まることになりました。2021年には、土木学会から選奨土木遺産に認定され、ダムの技術的価値が再認識されました。

糠平湖の自然とレクリエーション

糠平湖は、総貯水容量が193,900,000立方メートル、湖面標高が520.0メートル、周囲が33.0キロメートル、最大水深が60.0メートルに達する大きな人造湖です。湖ではヤマメやワカサギの放流が行われ、特に冬季にはワカサギ釣りで多くの楽しみが持たれます。さらに、ニジマスやアメマス、コイ、ウグイ、ブラウントラウト、ハナカジカ、オショロコマなども生息しており、釣り好きにはたまらないスポットです。

冬の間、湖面には氷が張り付くことがありますが、春が来ると氷は薄くなり、その際は上士幌町が立ち入りを禁止します。また、水位が下がることで、かつて日本国有鉄道士幌線が通っていたタウシュベツ川橋梁が顔を出すこともあります。さらに厳冬期には湖面が凍結し、湖底から湧き上がるメタンガスが氷中に取り残される「アイスバブル」現象を見ることができます。

観光スポットと周辺の魅力

糠平ダム周辺には多くの観光スポットがあります。ぬかびら温泉や幌加温泉、タウシュベツ川橋梁などがあり、自然探訪やリラクゼーションを楽しむことができます。また、ウペペサンケ山やニペソツ山などの山岳も魅力的で、ハイキングや登山を通じて大自然を満喫できます。

このように、糠平ダムはその電源としての役割に加え、観光地としての一面や地域の歴史的な背景を持ったダムです。自然や歴史を感じながら、このダムを訪れることは多くの人々にとって貴重な体験となるでしょう。

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