タカンボースキー場

富山県南砺市に位置するタカンボースキー場は、五箇山の豊かな自然の中に開かれたスキー場です。

このスキー場は、かつて上平村であった地域が、国道304号の五箇山トンネル開通を契機に、冬季の観光振興と誘客を目指して整備したものです。1986年5月に建設が始まり、翌1987年12月18日に営業を開始しました。開設にかかった費用は約4億3千万円とされています。現在は南砺市が所有し、地元の上平観光開発株式会社が指定管理者として運営を担っています。興味深いことに、ゲレンデの土地は、五箇山で最も古い歴史を持つ真宗寺院、赤尾行徳寺の裏手に位置しており、もともとは1908年（明治41年）に行徳寺によって開墾された農地を転用して造られました。

タカンボウ山の北斜面に広がるゲレンデからは、人形山をはじめとする標高1000メートルから1700メートル級の壮麗な山並みや、眼下には雄大な庄川峡の景観を一度に楽しむことができます。コースは全部で4本が整備されており、山頂へは3基のペアリフト（第1ペアリフト540m、第2ペアリフト470m、第3ペアリフト400m）を利用してアクセスします。開業当初は2基のリフトで運営されていましたが、その後増設されました。スノーボードは全てのコースで滑走可能です。また、スキーヤーやスノーボーダーだけでなく、クロスカントリーコースやそり専用コースも設けられており、多様なウィンタースポーツに対応しています。ただし、夜間のナイター営業や人工降雪機の設備はありません。

スキー場内には、利用者が休憩や食事に利用できる2階建てのレストハウス「どんぐりの館」があります。駐車場は800台収容可能で、無料で24時間利用できます。

自動車でのアクセスが便利で、特に東海北陸自動車道の五箇山インターチェンジからはわずか約5分という近さです。これは富山県内の高速道路インターチェンジから最も近いスキー場の一つとして特筆されます。

タカンボースキー場は、地域の歴史と自然に根差した、アットホームな雰囲気を持つスキー場と言えるでしょう。壮大な景色の中で、家族連れや初心者から中級者までが安心してウィンタースポーツを楽しめる場所として、五箇山の冬を彩っています。関連施設として、同じ指定管理者が運営する道の駅上平も挙げられます。

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