タガンログ

タガンログについて

タガンログ（タガンローク）は、ロシア連邦のロストフ州に位置する都市です。黒海の北部、アゾフ海のタガンログ湾に面しており、地理的には北緯47度13分、東経38度55分の場所に座標があります。人口は2021年のデータによれば約24万5千人で、ロストフ・ナ・ドヌから西に約70キロの距離にあります。著名な小説家、アントン・チェーホフの生誕地として知られており、現在も彼の生家が保存されています。

産業と教育

タガンログは、ロシア南部において重要な産業のハブでもあり、地域の経済において重要な役割を果たしています。ここでは、金属や石炭、穀物、石油製品を扱う港があり、鉄道もイロヴァイスクとロストフ・ナ・ドヌを繋いでいます。自動車産業が盛んであり、金属加工、化学工業、皮革加工、食品加工などの多様な工場が点在しています。また、市内には高等教育機関としてタガンログ無線工学大学やタガンログ国立教育大学が存在し、教育レベルの向上にも注力しています。

歴史

タガンログの歴史は1698年に遡ります。この年にピョートル大帝がこの地に艦隊の基地を設けました。その頃、アゾフ海はオスマン帝国との覇権争いの舞台となっていました。1710年には再びオスマン帝国軍によって包囲され、1711年にはタガンログを破壊し放棄することとなります。その後の50年は町が廃れていましたが、1769年にロシア軍により再占有され、1774年にはオスマン帝国から正式に割譲されました。エカテリーナ2世により復興が進められ、多くのギリシャ人が移住してきました。

1825年には皇帝アレクサンドル1世がこの地で急死する事件もあり、1853年のクリミア戦争の際には英仏艦隊に攻撃されましたが、町はドン・コサック軍によって守られました。19世紀には交易の中心地として栄え、多くのイタリア人やギリシャ人商人の豪華な邸宅が今も残っています。

第二次世界大戦中の1941年から1943年にかけては、ナチス・ドイツに占領され、街は大きな被害を受けました。1943年8月30日に赤軍によって解放されると、その後は第475収容地区が設置され、多くの日本人捕虜がシベリア抑留を受け、強制労働に従事することとなりました。

交通と姉妹都市

タガンログは交通の要所でもあり、タガンログ市電などの公共交通機関が整備されています。さらに、国際的なつながりを大切にしており、ブルガリアのチェルヴェン・ブリャクやオランダのフリシゲン、さらには中国の済寧など、さまざまな国の都市と姉妹都市の関係を築いています。

市を代表する人物には、画家コンスタンチン・サヴィツキー、小説家アントン・チェーホフ、哲学者アレクサンドル・コイレ、物理学者ボリス・ポドリスキーなど、多彩な面々がいます。

タガンログはその歴史的背景と多様な文化を誇る魅力的な都市です。今後もその発展が期待される場所となるでしょう。

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