タシュケント・サマルカンド高速鉄道

タシュケント・サマルカンド高速鉄道

タシュケント・サマルカンド高速鉄道は、ウズベキスタンの首都タシュケントと古都サマルカンドを結ぶ高速鉄道です。総距離344kmの路線を、高速列車「アフラシャブ号 (Afrosiyob)」が運行しています。この路線は、タシュケントからタシュケント州、シルダリヤ州、ジザフ州、そしてサマルカンド州を経由し、サマルカンドへと至ります。

歴史

2011年3月11日、タシュケント・サマルカンド高速鉄道の建設が始まりました。当初、建設費は約7000万ドルと見積もられていました。建設作業は、新線の建設と既存路線の改良、さらに現代的な信号システムの導入を伴う大規模なものでした。高速鉄道の線路整備に加え、ブハラやヒヴァといった都市への延伸を見据え、規格の低い線路も新たに敷設されました。

全線344kmの高速線では、最大時速250kmでの運行が可能となり、タシュケントとサマルカンド間を約2時間で結ぶことが可能となりました。当初、2011年9月に商業運転を開始する予定でしたが、9月18日の時点では線路の完成が35kmに留まり、予算不足により全ルートの建設が遅れていました。

2015年8月22日には、路線がカルシまで141km延長され、営業を開始しました。さらに2016年8月25日には、サマルカンドから256km先のブハラまで延伸され、最初のTalgo 250が運行を開始しました。これにより、タシュケントからの総距離は600kmに達し、所要時間も従来の7時間から3時間20分に大幅に短縮されました。

運行

高速鉄道車両は、2009年11月にスペインのタルゴ社により、3800万ユーロ（約5300万ドル）で製造されることが決定しました。この購入費用は、ウズベキスタン鉄道交通局がウズベキスタン再建・開発のために融資を受けています。最初の車両であるタルゴ250は、2011年7月22日に納入され、9月には2号車も納入されました。各編成は、2つの車掌室、257人収容の8つの客車、そして食堂車で構成されています。

2011年8月26日、タシュケントからサマルカンド間での試運転が実施され、サマルカンドで開催された音楽祭「Sharq taronalari」の乗客を輸送しました。この際、列車は全線を約2時間で結ぶとされました。

2011年10月8日、高速鉄道は「アフラシャブ号」という名称で、週2回の商業運行を開始しました。しかし、高速鉄道用の線路が不十分であったため、所要時間は2時間半を超えていました。

2012年1月24日、OJSC「Uzjeldorpass」（ウズベク旅客鉄道）は、アフラシャブ号を週5回運行すると発表し、同年2月13日からはタシュケントとサマルカンド間を毎日1便運行することになりました。

2012年5月からは、金曜日、土曜日、日曜日に1日2往復の運行を行うことが、SJSC「ウズベキスタン鉄道交通局」から発表されました。

路線

2019年8月31日現在の路線は以下の通りです。

タシケント - サマルカンド - ナヴォイ - ブハラ
タシケント - サマルカンド - カルシ

今後の計画

ウズベキスタンのシルクロードの主要都市を結ぶため、ウルゲンチを経由してヒヴァまで延伸する計画があります。2018年12月にはヒヴァ～ウルゲンチ間が開業済みで、2021年には完成予定でしたが、2022年2月時点ではブハラ～ウルゲンチ間は着工されていません。この区間が完成すれば、タシュケントからヒヴァまでの所要時間は7時間に短縮される見込みです。

2024年3月、延伸開業に伴う車両増備のため、現代ロテム製のKTX-イウムをベースとした高速鉄道車両の購入が発表されました。

脚注

Wikipedia

外部リンク

* Uzbekistan Railways

もう一度検索