カルシ

カルシ（Qarshi/Қарши, Nakhshab/نخشب, Karshi/Карши, Kharsh-khot/Харш-хот）は、ウズベキスタン南部のカシュカダリヤ州に位置する州都です。首都タシュケントから南南西へ約520km、アフガニスタン国境からは北西へ約350kmの地点にあります。2012年時点での人口は約23万人で、天然ガスやカーペット生産が主要な産業となっています。また、Karshiという表記も用いられることがあります。

歴史

カルシの歴史は非常に古く、その起源はペルシア帝国時代のソグディアナ地方にあったナフシャブ（Nakhshab）という地名に遡ります。その後、イスラム帝国時代にはナサフ（Nasaf）と呼ばれ、モンゴル帝国時代にはハルシュホト（Kharsh-khot）という名で知られていました。ブハラ・ハン国時代には、国内で2番目に重要な都市として発展し、小麦、綿、絹などの生産拠点として、またブハラやバルフとの交易を行う交易都市として栄えました。チャガタイ・ハン国時代には夏の首都が置かれたこともあります。1364年には、ティムールによって現在のカルシ南部に要塞都市が築かれ、この要塞が現在の都市名の由来となりました。

18世紀になると、シャフリサブスが都市としての重要性を失うにつれて、カルシがその役割を担うようになりました。1868年までに、10のキャラバンサライと4つのマドラサが建設され、商業と文化の中心地としての地位を確立しました。ウズベク・ソビエト社会主義共和国時代の1970年代前半には、トルクメニスタンのアムダリア川からの灌漑計画が完了し、大規模な綿花栽培と製綿事業が展開されました。

文化施設

カルシには、歴史的な建造物や文化施設が数多く存在します。代表的なものとしては、以下のものが挙げられます。

ホジャ・アブドゥルアジズ・マドラサ: カルシ最大の規模を誇るマドラサで、現在は博物館として利用されています。
ラビヤ・マドラサ: 19世紀後半に設立された女性のためのマドラサです。
コク・グンバズ・モスク: 16世紀に建設されたモスクで、歴史的建造物として重要な役割を担っています。

工業

カルシは、近年工業都市としての側面を強めています。特に注目されるのは、天然ガスを液体燃料へと変換するGTLプラントの建設です。このプラントは、カルシの南40kmに位置しており、サソール社のGTL技術を採用し、年間140万トンの生産能力を誇ります。このプラントでは、GTLディーゼル、ケロシン、ナフサ、液体ガスなどを生産します。プロジェクト全体の投資額は約40億USドルに及び、中央アジア初のハイテク工場として期待されています。この事業は、ウズベキスタンGTLという合弁事業体によって運営されており、サソール社とペトロナス社、ウズベクネフテガス社が共同出資しています。プラントは、シュルタン・ガスや化学コンビナートを基盤として建設される予定です。

教育

カルシには、高等教育機関として以下の大学・研究所があります。

カルシ州立大学
カルシ工業経済研究所

スポーツ

サッカーにおいては、国内最上位リーグであるウズベク・リーグに所属するナサフ・カルシが本拠地を置いています。

交通

現在、国際協力機構（JICA）によって、カルシからテルメズまでの鉄道貨物輸送を電化する事業が進められています。これにより、両都市間の物流が円滑になることが期待されています。

出身人物

ボティル・ノシロフ (1985年-): サッカー選手

脚注

[脚注]

外部リンク

René Grousset, The Empire of the Steppes: A History of Central Asia*. Trans. Naomi Walford. New Jersey: Rutgers, 1970. ISBN 0-8135-1304-9

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