ウルゲンチ

ウルゲンチの概要

ウルゲンチ（ウズベク語: Urganch）は、中央アジアのホラズム地方に位置する歴史的な都市であり、現在はウズベキスタンのホラズム州の州都となっています。この都市は、古くから貿易や文化の交差点として栄え、多くの歴史的遺跡が残されています。

呼称

ウルゲンチという名称はテュルク諸語に由来し、ペルシア語ではグルガーンジュ（Gurgānj）と呼ばれています。また、アラビア語の地理書ではジュルジャーニーヤ（Jurjānīya）として記録されていることもあり、その歴史的背景があります。

地理

この都市は、アムダリヤ川とシャヴァト運河の近くに位置し、標高は91メートルです。また、ブハラからは約450キロメートルの距離があり、キジルクム砂漠を挟んでいます。

歴史

ウルゲンチの歴史は、イスラム化が進んだ後のホラズム地域の発展期にさかのぼります。元々ペルシア系住民が多かった地域で、テュルク系遊牧民との交流により「草原の港」として発展しました。10世紀には、地元のペルシア人君侯が自らホラズム・シャーを名乗り、ウルゲンチは地域の中心都市となりました。

11世紀には、ガズナ朝やセルジューク朝の影響を受け、ウルゲンチはますます重要な都市へと成長していきます。特にホラズム・シャー朝の下で、ウルゲンチは繁栄のピークを迎えましたが、12世紀末から13世紀初頭にかけてモンゴル帝国の侵攻により、都市は大きな被害を受けます。1221年、ウルゲンチはモンゴル軍によって征服され、徹底的に破壊されました。

再建と新ウルゲンチ

その後、旧市街の南に新たなウルゲンチが1231年に再建され、14世紀には再び栄えていきます。新ウルゲンチは、綿花や絹の貿易で繁栄し、ヒヴァ・ハン国の中心商業都市となりました。しかし、アムダリヤ川の河道が変わったことにより、旧ウルゲンチは衰退の一途を辿ります。16世紀以降、ヒヴァ・ハン国の都はヒヴァへと移転し、旧ウルゲンチは徐々に放棄され、廃墟へと変わっていきました。

文化遺産

現代のウルゲンチには、歴史的な遺跡が数多く残されています。旧ウルゲンチ（クフナ・ウルゲンチとして知られる）は、ホラズム・シャー朝からティムール朝時代の遺跡があり、2005年にユネスコの世界遺産に登録されました。代表的な遺跡には、12世紀のホラズム・シャーの墓廟であるテキシュ廟や、14世紀に建設されたクトルグ・ティムールのミナレットが含まれます。

交通

交通の便も整備されており、ウルゲンチ国際空港からはタシュケントへの国内便が運航されています。また、ウズベキスタン鉄道も利用でき、近隣地域へのアクセスが便利です。

ウルゲンチは、その歴史や文化だけでなく、現在でも商業的な中心地として重要な役割を果たしており、観光地としての魅力も持ち続けています。

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