タタナダラス

タタナ・ダラス：日本で花開いたラグビーキャリア

ニュージーランド出身のプロラグビー選手、タタナ・ダラス（Tatana Dallas）は、1991年8月27日に生を受けました。ジャパンラグビーリーグワンに所属する釜石シーウェイブスRFCで、主にチームの重要な要であるロックとして活躍しています。キャリアの初期には「ダラス・タタナ」という表記も用いられていました。

プロフィールと背景

南半球のラグビー強豪国であるニュージーランドで育ったタタナ・ダラスは、身長186センチメートル、体重106キログラムという恵まれた体格を誇ります。このフィジカルを活かし、ラインアウトでの競り合いやスクラムにおける推進力、さらにはフィールドプレーでのタックルやボールキャリーなど、ロックに必要な能力を高いレベルで兼ね備えています。個人的な一面としては、故郷マオリの伝統的なパンであるレウェナ・パラオアを好んでおり、彼の文化的なルーツを垣間見ることができます。

日本でのラグビー人生の始まり

彼の日本におけるラグビーキャリアは、まだ10代だった2008年6月に始まりました。ニュージーランドから北海道の札幌山の手高校へ留学。日本の高校ラグビー界における強豪校の一つである同校で、異文化に触れながらラグビーの技術と経験を積み重ねました。高校での3年間は、彼が日本ラグビーに適応し、その後のキャリアを築く上での重要な土台となりました。

高校卒業後、2011年には神奈川県の東海大学へ進学しました。東海大学体育会ラグビーフットボール部は、当時から関東大学リーグ戦を中心に強豪として知られており、全国大学選手権でも常に上位を争うレベルにありました。この恵まれた環境で、タタナ・ダラスはさらにフィジカルと戦術理解を深めていきました。大学時代には、後に日本代表やトップレベルのチームで活躍する多くの才能ある選手たちと机を並べ、切磋琢磨しました。井波健太郎氏、北出卓也氏、小原政佑氏、林大成氏といった面々との出会いは、彼の成長に大いに刺激を与えたことでしょう。大学での4年間を経て、彼はプロのラグビー選手として歩み出す準備を整えました。

社会人チームでのキャリアパス

2015年に東海大学を卒業したタタナ・ダラスは、岩手県釜石市を拠点とする釜石シーウェイブスRFCに加入しました。このチームは、かつて新日鐵釜石として一時代を築いた名門であり、東日本大震災からの復興のシンボルとしても地域に深く根差しています。釜石でのプレーを通じて、彼はプロ選手としての第一歩を踏み出し、チームの重要な戦力として貢献しました。当時の釜石シーウェイブスは、トップリーグの下部にあたるトップイーストリーグに所属していましたが、トップリーグ昇格を目指す中で、タタナ・ダラスはロックとして欠かせない存在でした。

2019年には、活動の場を福岡県宗像市に移し、当時のトップリーグ所属チームであった宗像サニックスブルースへ加入しました。日本ラグビーの最高峰リーグであったトップリーグでプレーすることは、彼にとってさらなるレベルアップの機会となりました。より速く、より強く、より戦術的なプレーが求められる環境で、彼は自身の能力をさらに磨き上げました。

そして2022年、タタナ・ダラスは再び縁のある釜石の地へ戻り、釜石シーウェイブスRFCに復帰しました。リーグワンへと移行した日本ラグビー界において、DIVISION2に所属するチームの中心選手として、豊富な経験とリーダーシップを発揮しています。復帰後の彼の活躍は、チームが上位を目指す上で大きな力となっています。

日本代表としての経験

タタナ・ダラスは、15人制ラグビーの若手有望株が集まるU20日本代表に選出された経験があります。これは、彼の才能が早くから日本ラグビー界で高く評価されていたことを示しています。また、15人制だけでなく、展開が速く運動量が求められる7人制ラグビーにおいても、そのパワーと機動力を活かして7人制日本代表に選ばれた実績を持っています。異なる形式のラグビーを経験したことは、彼の選手としての幅を広げ、多角的なスキルを養うことに繋がりました。

まとめ

タタナ・ダラスは、ニュージーランドから日本に渡り、高校、大学、そして社会人チームで着実にステップアップしてきたラグビー選手です。釜石シーウェイブス、宗像サニックスブルースという異なるチームでの経験は、彼を選手として成長させ、現在の円熟したプレーに繋がっています。日本代表としての経験も持ち合わせる彼は、現在所属する釜石シーウェイブスRFCにおいて、チームの勝利のために日々グラウンドで奮闘しています。彼のこれまでの軌跡は、国際的なバックグラウンドを持つ選手が日本ラグビー界で成功を収める模範例の一つと言えるでしょう。今後のさらなる活躍が期待されます。

もう一度検索