タニー・マウス

女子プロレスラーとして一時代を築いたタニー・マウス、本名・谷山美奈（たにやま みな）は、1976年1月7日に東京都世田谷区で生を受けました。

彼女のプロレスキャリアは、1994年11月3日、全日本女子プロレスのいすゞ自動車大和工場体育館で行われた興行でのデビュー戦、対藤本由美戦から始まります。

デビュー当初は本名の谷山美奈としてリングに上がっていましたが、後に大きな転機が訪れます。ネズミをモチーフにしたユニークなキャラクターレスラー、「タニー・マウス」へとリングネームを変更したのです。この改名により、彼女は従来のスタイルから一転、観客を惹きつけるコミカルかつユーモラスなファイトを展開するようになります。この個性的なリングネームは、当時全日本女子プロレスの社員で、後にプロレス記者となった田中正明氏によって名付けられました。

全日本女子プロレスが経営上の困難に直面したことで、タニー・マウスは多くの選手たちと共に1997年に団体を離れることとなります。同年、彼女は新たに旗揚げされたネオ・レディース（後のNEO女子プロレス）へと活躍の場を移し、中心選手として団体の歴史を築いていくことになります。

NEO女子プロレスでは、宮崎有妃とのタッグチーム「NEOマシンガンズ」として絶大な人気を誇りました。息の合った連携とエンターテイメント性の高い試合でタッグ戦線を牽引し、団体の顔となります。このチーム名は、タニー・マウス自身がお気に入りの漫画「キン肉マン」に登場するタッグチーム「マシンガンズ」に由来していると言われています。

2010年5月5日、所属するNEO女子プロレスが同年12月31日をもって解散することが発表されると同時に、タニー・マウスもまた、その日をもってプロレスラーとしてのキャリアに終止符を打つことを表明しました。これにより、彼女の16年間にわたる現役生活は幕を閉じました。

プロレスラーとしてリングに立ち続ける傍ら、タニー・マウスは引退後の新たな人生を見据え、専門学校で学びを深めていました。そして2012年には、国家資格である鍼灸師の資格を取得。現在は、かつてのライバルであり仲間でもあった田村欣子が経営するアロマトリートメントサロン「AOコーナー田村欣子」に勤務し、鍼灸師として多くの人々の健康に貢献しています。

彼女が得意とした技には、プロレスファンにはおなじみのものから、彼女独自のユーモア溢れるネーミングのものまで多岐にわたります。特に「グラビア固め」は、背後から相手の両腕を縛り上げるというユニークな技で、グラビアアイドル出身の西田夏選手を破ったことから名付けられたとされています。

主な得意技

パロ・スペシャル
ランニング・ヘッドバット
はずかし固め（恥ずかし固め）
タニバット
タニロケット
ダブルアームT
マウントタニー
ミス・ミッコリー
扇
グラビア固め

また、そのキャリアを通じて、国内外の様々なタイトルを獲得しています。

主な獲得タイトル

全日本タッグ王座
AWF世界女子王座
アイアンマンヘビーメタル級王座
インターナショナルリボンタッグ王座
* NEO認定タッグ王座

リングを降りた今も、鍼灸師として、またSNSなどを通じてその明るい人柄を発信し続けており、多くのファンに親しまれています。プロレスラーとして、そして鍼灸師として、常に前向きに歩み続ける彼女の活動は、今後も注目されることでしょう。

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