タンクタンクロー

タンクタンクロー

『タンクタンクロー』は、阪本牙城による漫画作品、およびその主人公の名前です。1934年1月号から1936年12月号にかけて、大日本雄弁会講談社の雑誌『幼年倶楽部』で連載されました。

概要

タンクローは、ボウリングのボールのような鉄球状の胴体から、チョンマゲ頭と黒い長靴を履いた足を出した姿をしています。胴体には8つの丸い穴があり、そこからピストル、日本刀、飛行機の翼、スクリュー、大砲、箒など、様々なものを出すことができます。ロボットのような外見ですが、内部構造や正体は作中では明かされていません。

物語では、当初は強盗や相撲取りなどの乱暴者を相手にしていましたが、後に海の向こうから日本に攻めてきた怪人・黒カブトを倒すために、兵隊を率いて活躍します。黒カブトのデザインは、映画『スター・ウォーズ』シリーズのダース・ベイダーに似ていることでも知られています。

特徴

奇想天外で荒唐無稽なキャラクターとストーリーは、SF漫画のルーツの一つとも言われています。『のらくろ』や『冒険ダン吉』と同様に、昭和初期の少年たちのヒーローでした。

『のらくろ』や『冒険ダン吉』の主人公たちが教育的な側面を持っていたのに対し、『タンクタンクロー』は低学年向けの「幼年倶楽部」で連載されたこともあり、ナンセンスで自由奔放なキャラクターが特徴です。

歴史

『幼年倶楽部』で連載される前は『中外商業新報』（現・日本経済新聞）に掲載されていました。『幼年倶楽部』の連載終了後は『満州新聞』に掲載され、第二次世界大戦後には1949年に続編の単行本が講談社北海道支社、妙義出版社、新漫画社などから出版されました。

『幼年倶楽部』連載中の1935年には、10月号掲載分までをまとめた単行本が講談社から刊行されています。この単行本は、絵物語形式だった連載当初の回をコマ割りして漫画に改稿したもので、1970年、1976年に講談社から、2005年には小学館クリエイティブから復刻されており、最もポピュラーな版となっています。

2014年には、イーブックイニシアティブジャパンが電子書籍版の配信を開始しました。また、広告代理店の電通が主導してテレビアニメ化の企画もありましたが、実現には至りませんでした。

関連作品・人物

宇宙実験・観測フリーフライヤ: 宇宙科学研究所や宇宙開発事業団などが開発した人工衛星。タンクタンクローがプロジェクトのマスコットキャラクターに採用され、ミッションワッペンなどに描かれています。衛星の8つの実験区画と、タンクローの8つの穴をかけています。
唐沢なをき: 本作のパロディ漫画『パンク・パンクロー』『タンキ・タンクロー』などを描いています。
パンツぱんくろう: NHK『おかあさんといっしょ』内で放映されたアニメ。
柴山みのる: 本作のパロディ漫画『少年刑事スーパータンクロー』を描いています。

外部リンク

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