タヴィラ

ポルトガルの古都タヴィラ：歴史、文化、自然が織りなす魅力

タヴィラは、ポルトガル南部のファーロ県に位置する、大西洋に注ぐジラオン川の河口に開けた美しい都市です。スペインとの国境からもほど近く、その歴史は紀元前1000年まで遡ります。様々な文化が交錯し、独自の魅力を育んできたタヴィラの歴史、文化遺産、そして自然について深く掘り下げていきましょう。

古代の港町からムーア人の支配へ

タヴィラの起源は、紀元前8世紀頃の銅器時代に遡ります。フェニキア人がイベリア半島西部における重要な港町として建設し、城壁、神殿、埠頭などを備えた繁栄を見せました。しかし、紀元前6世紀頃に紛争によって破壊され、一時衰退します。その後、タルテッソス王国の時代に港町として再興しますが、紀元前4世紀頃には再び衰退。ローマ時代には、近隣にバルサという新たな港が建設され、タヴィラよりも繁栄しました。

8世紀から13世紀にかけては、ムーア人の支配を受けました。この時代に、農業、建築、文化など、様々な分野でムーア人の影響が色濃く残りました。ムーア様式の建築は、現在のタヴィラにも見られ、ドアや屋根などにその痕跡を垣間見ることができます。また、ムーア人はモスクや宮殿を建設し、都市の発展に貢献しました。「ローマ人の橋」と呼ばれる橋も、近年の調査により12世紀にムーア人によって建設された可能性が高いとされています。ムーア人の時代、タヴィラは船員や漁師にとって重要な港として再興し、アルガルヴェ地方の中心として急速な経済発展を遂げました。

レコンキスタとキリスト教徒の移住

1242年、タヴィラはポルトガル王国によってレコンキスタ（再征服）されました。その後、多くのキリスト教徒が移住し、都市の景観や文化に変化をもたらしました。

タヴィラの文化遺産

タヴィラには、古代から中世にかけての様々な時代の文化遺産が数多く残されています。その中でも代表的なものをいくつかご紹介しましょう。

ローマ時代の橋: ジラオン川にかかる橋で、ローマ時代に建設されました。長年にわたりタヴィラの交通を支えてきた重要な建造物です。
サンタ・マリア・ド・カステロ教会: 13世紀に建設された教会で、1755年のリスボン地震で大きな被害を受けましたが、その後再建されました。ゴシック様式とマヌエル様式が融合した美しい建築が特徴です。
* ムーア人の城塞: ムーア人によって建設された城塞で、ディニス1世によって再建されました。タヴィラの歴史を見守ってきた象徴的な存在であり、城塞からは市内を一望できます。

タヴィラは、その豊かな歴史と文化遺産、そして美しい自然が調和した魅力的な都市です。ポルトガルを訪れる際には、ぜひタヴィラに足を運び、その魅力を体感してみてください。

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