タヴリダ国立大学

タヴリダ国立大学について

タヴリダ国立大学（ウクライナ語: Таврійський національний університет、ロシア語: Таврический национальный университет、クリミア・タタール語: Таврия Миллий Университети）は、ウクライナ・クリミア自治共和国の首都シンフェロポリに位置する大学で、1918年に設立されました。正式名は「V・I・ヴェルナードシクィイ記念タヴリダ国立大学」として知られ、略称はTNUです。この大学は、クリミアでの高等教育の中心的存在として、長い歴史を有しています。

大学の歴史

タヴリダ国立大学の歴史は、1916年に遡ります。その年、ロシア帝国の国家評議会議員であるソロモン・クリムが、タヴリダ県に高等教育機関が必要であると報告しました。1917年に聖ウラジーミル・キエフ大学の委員会において、クリミアに分校の設立が承認されました。

1918年、ウクライナ国の首都キーウにタヴリダ支部が開設され、その後、7月にはシンフェロポリにタヴリダ大学が設立されることが決まりました。同年8月には、クリミア地方政府により「タヴリダ大学に関する条例」が制定され、10月には創立式典が行われました。

大学名の変遷は多様で、1961年には赤軍司令官を称える名のもとに改称され、その後の年齢においても数度にわたり改称が行われました。1999年には国立大学に昇格し、かつての名称へと戻りました。最終的に、2014年のクリミア危機によりロシアに併合され、現在は「クリミア連邦大学」の一部として運営されています。

学部と施設

タヴリダ国立大学は現在、16の学部を抱える総合大学です。それぞれの学部では多様な分野における高等教育が行われ、多くの研究機関も併設されています。大学には様々な附属施設もあり、例えば、2004年に設立されたシンフェロポリ植物園では約2000種の植物が栽培されています。また、動物学博物館や地球物理観測所、持続可能な開発のための技術研究センターなども設置されています。

さらに、卒業生の就職支援を行うセンターや国際交流局、コンピュータ技術センターなどがあり、学生の多様なニーズに応える体制が整っています。

著名な教員と卒業生

この大学には多くの著名な教員が在籍していました。ウラジーミル・ヴェルナツキー教授は地球科学の権威として知られ、他にも地質学者のウラジミール・オーブルチェフやトルコ語学者のベキル・チョバンザーデなどが名を連ねていました。卒業生についても、物理学者のイーゴリ・クルチャトフをはじめ、サンドアーティストのクセニア・シモノヴァなどが著名な存在です。

現在の状況

クリミアがロシアに併合された後、タヴリダ国立大学は新たに設立されたクリミア連邦大学に組み込まれ、ロシア当局によって運営されることとなりました。この件についてウクライナ政府は異議を唱えており、キーウにおいてタウリダ国立大学の設立を命じています。現在も大学の運営や教育方針を巡ってさまざまな議論が続いている状況です。タヴリダ国立大学は、クリミアでの歴史的な役割を有しながら、複雑な政治状況の中でその存在を維持しています。

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