タートルボウル

タートルボウルの生涯：欧州の活躍から日本の種牡馬へ

2002年4月9日生まれのアイルランド産競走馬、タートルボウルは、フランスで華々しい競走馬としてのキャリアをスタートさせました。2004年のデビュー後、才能を開花させたのは2005年。名手オリビエ・ペリエ騎手とのコンビで、フランスの3歳マイル王決定戦であるジャンプラ賞を制覇し、その名を世界に知らしめました。

続くジョンシェール賞も勝利し、その実力を証明しました。その後も、古馬になってからは大レースでの優勝こそ逃したものの、イスパーン賞2着、クイーンアンステークス3着、ジャック・ル・マロワ賞3着など、ヨーロッパのマイル戦線で常に上位を争う活躍を見せました。2007年、輝かしい競走生活に幕を閉じ、通算21戦7勝という記録を残しました。

種牡馬としての成功と悲劇

2008年、タートルボウルは種牡馬としての新たなキャリアを歩み始めます。初年度産駒は43頭。その中には、後にクリテリウム・アンテルナシオナルを制し、英2000ギニーでも2着に入ったフレンチフィフティーンや、仏2000ギニーを制したルカヤンといったG1ホースが輩出されました。

6000ユーロという比較的低価格帯の種牡馬であったにも関わらず、初期の産駒の活躍と、他にはない血統構成が評価され、2012年には日本の社台グループに買収されました。社台スタリオンステーションで繋養されることとなり、初年度の種付け料は受胎確認後250万円に設定され、116頭の繁殖牝馬と交配しました。

その後も安定した種付け頭数を確保し続けましたが、2017年6月4日、種付け後に心不全で急死するという悲劇に見舞われました。欧州での産駒の活躍はフレンチフィフティーンとルカヤン以降は限定的でしたが、日本でも着実にその血を受け継いだ競走馬が育ち始め、東京プリンセス賞を制したアンジュジョリーなどが活躍を見せていました。

日本での産駒の活躍

タートルボウル亡き後も、その血統は日本の競馬界で輝きを放ち続けました。2018年には、初年度産駒トリオンフが小倉大賞典を制し、JRA重賞初制覇という快挙を達成。以降、数々の産駒が重賞競走で活躍するようになります。

主な産駒として、トリオンフ（小倉大賞典、小倉記念、中山金杯）、アンデスクイーン（ブリーダーズゴールドカップ、レディスプレリュード、エンプレス杯）、タイセイビジョン（京王杯2歳ステークス、アーリントンカップ）、ベレヌス（中京記念）、ヴェントヴォーチェ（キーンランドカップ、オーシャンステークス）などが挙げられます。地方競馬でもアンジュジョリー（東京プリンセス賞）、ゴールデンヒーラー（数々の地方重賞）など、多くの活躍馬を輩出しました。

タートルボウルの父であるDyhim Diamondはスペインでリーディングサイアーに輝いた名馬です。タートルボウルの血統背景からも、その類まれな能力の高さが伺えます。短い生涯でしたが、競走馬として、そして種牡馬として、競馬界に多大な貢献を果たしたタートルボウルの功績は、これからも長く語り継がれることでしょう。

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