ダイキン・パーク

ダイキン・パーク：ヒューストン・アストロズの本拠地

ダイキン・パークは、アメリカ・テキサス州ヒューストンに位置する野球場であり、メジャーリーグベースボール（MLB）のヒューストン・アストロズが本拠地として使用しています。2000年に開場したこの球場は、世界で3番目に開閉式屋根を備えた天然芝の野球専用球場として知られています。

球場名の変遷

開場当初は、エンロン・コーポレーションとの命名権契約により「エンロン・フィールド」という名称でしたが、同社の経営破綻に伴い、2002年3月から一時的に「アストロズ・フィールド」と改称されました。その後、コカ・コーラ社が命名権を取得し、同社の飲料ブランド「ミニッツメイド」にちなんで「ミニッツメイド・パーク」となりました。この名称から、「ジュースボックス」という愛称も生まれました。

2025年からは、ダイキン工業のアメリカ子会社であるダイキン・コンフォートテクノロジーズ・ノースアメリカ社が命名権を取得し、「ダイキン・パーク」という名称に変更されました。日系企業がMLBの本拠地球場の命名権を取得するのは初の事例です。

フィールドの特徴

ダイキン・パークは、隣接するユニオン駅という歴史的建造物の影響で、外野の形状が特徴的です。左翼が右翼に比べて浅く、左中間にも膨らみがないため、右打者にとって本塁打が出やすい構造となっています。また、2016年まではセンターまでの距離が435フィート（約132.6メートル）と、MLBの球場の中で最長でした。

タルの丘

2016年まで存在した「タルの丘」は、センターフェンス手前に設けられた傾斜30度の坂で、レッズの旧本拠地クロスリー・フィールドを模したものでした。この丘にはフラッグ・ポールが立っており、タイガースの旧本拠地タイガー・スタジアムを彷彿とさせました。しかし、センターを守る選手にとっては障害物であり、カルロス・ベルトラン選手がFA時に撤去を要求したという逸話も残っています。

2016年シーズン後、「タルの丘」は撤去され、センターフェンスまでの距離は409フィート（約124.7メートル）に短縮されました。跡地には売店やグループ席が設けられています。

設備、アトラクション、演出

蒸気機関車: 駅の跡地であることにちなみ、外野左中間上方に蒸気機関車が設置されています。アストロズの選手が本塁打を打つと、汽笛を鳴らしながら線路を走る演出が行われます。かつては炭水車にオレンジが積まれていましたが、「ダイキン・パーク」への改名後は、球場の25年の歴史を象徴する25個の大きなボールに変更されました。
ホームラン・ポンプ: 左中間に突き出たバルコニー風の立ち見エリアには、ガソリンポンプが設置されており、アストロズの選手が開場以来この球場で放った本塁打の合計が表示されています。
球場の外には、長年アストロズで活躍したジェフ・バグウェルとクレイグ・ビジオの像が設置されています。
2004年からはWi-Fiが利用可能となっています。

主要な出来事

2000年3月30日：ヤンキースとのオープン戦で開場
2000年4月7日：MLB公式戦初開催（フィリーズ 4 - 1 アストロズ）
2004年7月13日：オールスターゲーム開催
ワールドシリーズ開催：2005年、2017年、2019年、2021年
2005年10月25日：テキサス州初のワールドシリーズ開催球場
2007年6月28日：クレイグ・ビジオが球団史上初の通算3000本安打達成
2015年8月21日：マイク・ファイヤーズが球場初のノーヒットノーラン達成
2020年10月6日 - 8日：ナ・リーグ地区シリーズ開催（中立地開催）

野球以外のイベント

2006年2月22日：サッカーの試合を開催
2015年5月9日：ボクシングの試合を開催
* 2020年1月26日：WWEロイヤルランブル開催

ダイキン・パークは、野球ファンにとって特別な場所であり、数々の歴史的な瞬間が刻まれてきました。これからも、多くのファンに愛される球場として、新たな歴史を刻んでいくことでしょう。

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