ダイハツ・トール

ダイハツ トール：コンパクトカーの新たな基準

ダイハツ工業が製造・販売するトールワゴン型コンパクトカー、トール（THOR）。その魅力は、コンパクトなボディながら、軽自動車並みの取り回しやすさと広い室内空間を両立させた点にあります。同社の軽自動車、ムーヴやタントにも採用されている高剛性ボディやDサスペンションも継承し、高い走行性能と快適性を提供します。

走りの性能と効率性

トールには、NAエンジンの1KR-FE型とターボエンジンの1KR-VET型の2種類のエンジンが用意されています。1KR-FE型は、ローギアード化された最終減速比と改良されたスロットルバルブ制御により、軽快な加速感と優れた動力性能を実現。一方、1KR-VET型は新開発の1.0Lターボエンジンで、1.3～1.4Lエンジン並みの最大出力72kW（98PS）と、1.5Lエンジン並みの最大トルク140N・m（14.3kg・m）を発揮します。さらに、スポーツモード／パワーモードの切り替え機能により、ドライバーの好みに合わせた走りが可能です。

4WDモデルは、ビスカスカップリングを用いたパッシブオンデマンド方式を採用。停車前アイドリングストップ機能「eco IDLE」、空力特性に優れたデザイン、軽量化されたボディパーツなど、様々な工夫により、低燃費性能も実現しています。全車種が平成32年度燃費基準を達成しています。

サスペンションは、高速走行時の安定性と操舵時のロール抑制を高めるため、トール用に専用に調整されています。全車にフロントスタビライザーを標準装備し、ターボ車にはリアスタビライザーも装備。高い走行安定性を確保しています。

安全性への取り組み

安全性能についても、SRSサイドエアバッグ、SRSカーテンシールドエアバッグ（オプション設定）、衝突回避支援システム「スマートアシストII/III」などを採用。シートベルト閉め忘れ警告灯、エマージェンシーストップシグナル、オートライトも標準装備し、安全運転をサポートします。上級グレードにはクルーズコントロールも装備されています。

デザインとインテリア

トールは、スタイリッシュな外観と洗練されたインテリアが特徴です。フロントからサイドにかけてまっすぐ伸びるキャラクターラインは、力強さと洗練さを兼ね備えています。リアランプとハイマウントストップランプにはLEDを採用し、高い視認性とデザイン性を両立。内装は直線的なラインと平面で構成され、広々とした空間を実現しています。メーターは運転席前に配置し、視認性を高めています。

標準車とカスタムでは、フロントフェイス、LEDリアランプ、内装のデザインが異なります。標準車は、すっきりとしたデザイン、カスタムは、より力強く存在感のあるデザインとなっています。ボディカラーは、多様なニーズに対応するため、豊富なバリエーションが用意されています。

OEM供給とモデルバリエーション

トールは、トヨタ自動車とSUBARUにもOEM供給されています。トヨタでは「ルーミー」「タンク」、SUBARUでは「ジャスティ」として販売され、軽自動車を除く国内小型自動車としては初の4姉妹車種（現在は3姉妹車種）という異例の形となりました。各ブランドで異なるデザインを採用することで、それぞれのブランドイメージに合わせたモデル展開を実現しています。

継続的な進化

発売以来、トールは何度かのマイナーチェンジを経て、デザイン、機能、安全性能の向上を続けてきました。スマートアシストの進化、ボディカラーの追加、新機能の搭載など、常にユーザーニーズに対応した改良が加えられています。2023年末の生産停止を経て、2024年4月には生産を再開しています。

まとめ

トールは、コンパクトなボディに、広い室内空間、優れた走行性能、充実の安全装備を凝縮した一台です。多様なニーズに対応できる柔軟性も持ち合わせ、ユーザーから高い支持を得ています。 トヨタ・ルーミー、スバル・ジャスティとの3車種体制により、より幅広い層へアプローチし、その人気はますます高まっています。

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