ダスター (アルバム)

アルバム『ダスター』について

『ダスター』（Duster）は、アメリカのジャズ・ヴィブラフォン奏者であるゲイリー・バートンが1967年に公開したアルバムです。この作品はジャズと他の音楽ジャンルが融合した一例として評価されています。バートンは、これまでのバンド活動から新たな一歩を踏み出し、ラリー・コリエルなどを迎えた自身のカルテットを編成しました。

背景

バートンはスタン・ゲッツのバンドを離れ、新たなカルテットを結成しました。この新しいグループでは、ジャズの枠を越え、カントリーやロック、クラシックの要素を取り入れた音楽スタイルを志向したとのことです。2010年のインタビューでバートン自身が語ったように、ジャンルを融合させた音楽への探求が作品に大きな影響を与えています。

アルバムには、マイケル・ギブスによる「スイート・レイン」という楽曲が含まれていますが、この曲は、同年にスタン・ゲッツのアルバム『Sweet Rain』でも演奏されました。また、カーラ・ブレイの「ブルースをそっと歌って」は、アート・ファーマー・カルテットの1965年の作品でも聴かれるなど、他のアーティストの楽曲としても親しまれています。

評価

オールミュージックのスコット・ヤナウは、アルバムに対して5点満点中4.5点を付け、「これをある意味で初のフュージョン・レコードの一つと捉えられる」と評価しています。また、ラリー・コリエルの貢献により、全体にわたって彼の音楽的影響が感じられると述べています。1998年には『ジャズタイムズ』のBill Shoemakerが本作を「後世に影響を与えた1960年代のジャズ・レコードの一つ」として取り上げ、発売当初はその新しいロックとジャズの融合が一部のリスナーにしか受け入れられなかったことを指摘しました。その一方で、バートンのカルテットは優れた作曲家の集合体でもあったが、特に演奏技術が際立っていると強調しています。特にブレイやギブスの楽曲では、バートンの繊細なリリシズムが際立ち、他の楽曲ではその迅速な4本マレット奏法が光を放っています。

収録曲

アルバムには以下の曲が収められています。作曲者に特記がない場合はマイケル・ギブスによる作品です。

1. バレー - "Ballet" - 4:58
2. スイート・レイン - "Sweet Rain" - 4:26
3. ポーツマスの華彩 - "Portsmouth Figurations" (Steve Swallow) - 3:07
4. モジョ将軍の戦略 - "General Mojo's Well Laid Plan" (S. Swallow) - 5:00
5. ワン・トゥ・1-2-3-4 - "One, Two, 1-2-3-4" (Gary Burton, Larry Coryell) - 5:58
6. ブルースをそっと歌って - "Sing Me Softly of the Blues" (Carla Bley) - 4:06
7. 祈祷式 - "Liturgy" - 3:27
8. レスポンス - "Response" (G. Burton) - 2:17

参加ミュージシャン

本アルバムには以下の才能あるミュージシャンが参加しています。

• - ゲイリー・バートン - ヴィブラフォン
• - ラリー・コリエル - ギター
• - スティーヴ・スワロウ - ベース
• - ロイ・ヘインズ - ドラムス

このアルバム『ダスター』は、音楽に新たな風をもたらし、聴く者に深い感動を与える作品として今なお多くのリスナーに愛されています。

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