ダッジ・ジャーニー

ダッジ・ジャーニー：SUVとミニバンの融合

ダッジ・ジャーニーは、クライスラー社がダッジブランドから販売していた乗用車です。ミニバンの実用性とSUVの機能性を兼ね備えた5ドア車が特徴で、世界各国で販売されました。日本市場においては、いすゞ自動車の同名車種との混同を避けるため、「ダッジ・JC」の名称で販売されました。

初代ジャーニー (2008年-2020年)

初代ジャーニーは、2007年のフランクフルトモーターショーで発表され、2008年から北米およびヨーロッパで販売が開始されました。メキシコにあるトルーカ工場で生産されており、ダッジ・アベンジャーと同じプラットフォームを採用しています。

ボディサイズはミドルサイズで、後部ドアは90度まで開く設計となっており、乗降性の向上に配慮されています。エンジンは、2.4L直列4気筒、2.7L V型6気筒、3.5L V型6気筒の3種類が用意されていました。駆動方式はFFと4WDが設定され、4WDはV型6気筒エンジン搭載車に限定されていました。

北米仕様では、グレードによってエンジンやトランスミッション、駆動方式が異なっていました。また、上級グレードのR/Tには、キーレスエントリーなど、標準グレードのSXTにはない装備が追加されていました。インテリアは、2.4Lエンジン搭載車は2列5人乗り、それ以外のモデルは3列7人乗りで、多彩なシートアレンジが可能です。収納スペースも充実しており、クーラー付きグローブボックスなども装備されていました。後部座席の視界確保のため、2列目シートはフロントシートより40mm高く、3列目シートは57mm高く設計されていました。シートには、汚れや匂いがつきにくく、静電気が発生しにくい素材が使用されています。

安全装備も充実しており、ABS、SRSエアバッグ、ESP、そして横転を感知して自動的にブレーキをかける「エレクトロニック・ロール・ミディゲーション」などが搭載されていました。

ヨーロッパ市場では、2011年モデルイヤーからダッジブランドでの販売が終了し、フィアットがOEM供給を受けて「フリーモント」として販売されました。日本市場では、2009年1月に2.7L FFモデルが発売されましたが、クライスラーの経営状況悪化に伴い、2010年以降の導入が凍結され、わずか1年で販売を終了しました。その後、ダッジブランド全車の日本市場からの撤退に伴い、ダッジ・ジャーニーも姿を消しました。

2代目ジャーニー (2022年-)

2022年には、ステランティスと広州汽車集団のコラボレーションにより、新型ジャーニーが発表されました。中国で生産され、ベース車両はGAC GS5です。デザインはベース車両を踏襲しつつ、クロームブラックのアクセントや大型フロントグリルなど、ダッジ独自のフロントフェイスが採用されています。エンジンは1.5Lターボ付きガソリンエンジンで、166馬力の出力を発揮します。トランスミッションは6速マニュアル、駆動方式はFFです。サスペンションは、フロントが独立懸架マクファーソンストラット式、リアが独立懸架マルチリンク式を採用し、快適な乗り心地を実現しています。

初代モデルとは異なり、2代目ジャーニーは中国市場をターゲットとしたモデルであり、北米やヨーロッパ市場への投入は今のところ発表されていません。

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