ダッジ・ストラトス

ダッジ・ストラトス：クライスラーのミドルクラスセダン

ダッジ・ストラトスは、かつてクライスラーの一部門であったダッジが販売していた自動車です。JAプラットフォームをベースとしたセダンとして企画され、ミッドサイズとコンパクトの中間的な位置付けでした。北米では「ストレイタス」とも発音されます。

概要

ストラトスの特徴の一つは、当時グループ会社であった三菱自動車製のエンジンを採用していたことです。北米ではダッジブランドで展開され、欧州などその他の地域ではクライスラーブランドで販売されました。北米でクライスラーブランドで販売されていたモデルは、デザインが変更され「クライスラー・シーラス」として販売されていました。初代モデルは1995年に日本にも導入されています。

2006年に生産を終了し、その役割は「ダッジ・アベンジャー」に引き継がれました。

初代 (1995-2000)

初代ストラトスは、JAプラットフォームを搭載したダッジ版モデルとして企画されました。これは、クライスラー・ビジョンよりも一回り小さいセダンボディが与えられていました。同じJAプラットフォームを使用するクライスラー・シーラスやプリムス・ブリーズとは、前後バンパーのデザインが異なる程度の姉妹車でした。

当時クライスラーが推進していた「キャブ・フォワード」コンセプトに基づき、短いノーズと長めのキャビンを備えた滑らかなボディスタイルと個性的なフロントマスクが特徴でした。エンジンは2.5リットルのV型6気筒SOHCで、最高出力は160PS。軽く触れるだけで自動変速を行うセミオートマのような機構が特徴で「オートスティック」と呼ばれるクライスラー独自の4ATが組み合わされました。

2代目 (2001-2006)

2代目は2001年にデビューしました。プラットフォームはJAプラットフォームを進化させたJRプラットフォームを採用しています。このJRプラットフォームは、三菱・ギャランのプラットフォームを改良したものでもありました。先代までのセダンに加え、クーペモデルが追加されたのも特徴です。姉妹車には「クライスラー・セブリング」があります。

デザインは先代のコンセプトを引き継いだ流線的なもので、ストラトスは1990年代を象徴していたクライスラーの一連の「クラウドカー」としては最後の1台となりました。

クーペモデルに関しては、プラットフォームを含め基本的な部分で三菱・エクリプスと共有しており、コンポーネントも少なからず共通となっていました。同一グループ内でセブリングなどの競合車種が存在していたため、販売面では苦戦し、クーペは2005年に、セダンは2006年に販売を終了しました。

メキシコでは、ターボチャージャーを取り付けられたバージョン「ストラトス R/T」もラインナップされていました。

まとめ

ダッジ・ストラトスは、クライスラーの歴史において、特徴的なデザインと三菱自動車との技術協力によって生まれたミドルクラスセダンでした。2世代にわたるモデル展開で、セダンとクーペの選択肢を提供し、多様なニーズに応えようとしましたが、市場の競争激化の中で姿を消しました。しかし、その個性的なスタイルと走行性能は、今もなお一部のファンに愛されています。

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