ダッソー nEUROn

ダッソー nEUROn - ヨーロッパ初の無人戦闘機

ダッソー nEUROnは、フランスの航空機製造企業であるダッソー社が主導し、スウェーデン、イタリア、スペイン、ギリシャ、スイスの5カ国からの企業が参加している、ヨーロッパ初の無人戦闘航空機（UCAV）です。このプロジェクトは、2003年にパリ航空ショーでその計画が発表され、以降、各国の技術と資金を集めて進められています。

開発の経緯

ダッソー社は、2005年のパリ航空ショーでnEUROnの実物大モックアップを公開し、このUCAVの開発が本格化しました。フランスが主導する中、DGA（フランス国防評価庁）のガイドラインに則って、各パートナー国と協力しながら、技術の共有と開発が行われています。nEUROnの開発には、特に技術力と経験が重視され、各国企業に対しては資金面からの寄与が求められました。

この計画にはスウェーデンのSAAB、ギリシャのヘレニック・エアロスペース・インダストリー、スペインのEADS CASA、スイスのRUAG、イタリアのアレニア・アエロナウティカの5社が参加しており、それぞれの担当分野が明確に分かれています。例えば、ダッソー社はシステム設計や飛行試験を担当し、SAABは全体の設計と電子機器を担当します。

技術デモと目標

nEUROnの開発は、2010年に行う初飛行を見据えて進められています。この機体は、空対地ミッションの実行、ネットワーク・セントリック作戦への統合、ステルス設計の検証、及び内部兵器倉からの兵器投下を目指しています。具体的には、空対地音速ミッションや試験レンジ空域への侵入などが含まれます。

また、2008年には、企業間の作業パッケージに関する覚書が締結され、技術デモンストレーターの概要が固まりました。2008年には、ダッソー社のAVE-Dスケール実験機が自動運行飛行に成功し、技術の進展が確認されています。2009年には、SAAB社が胴体の製造開始を発表し、初飛行の日程が2012年に延長される中、最終的に2012年12月にフランス軍基地で初飛行を実施しました。

最新の動向

さらに、2016年6月には、フランス南部イストルでnEUROnがフランスのラファール戦闘機およびファルコン8X旅客機との編隊飛行を成功させ、運用の安定性を示しました。このように、nEUROnは将来の戦闘機開発において非常に重要な役割を果たすことが期待されています。

性能と特徴

一般的な仕様

• - 乗組員: なし
• - 全長: 9.5メートル
• - 翼幅: 12.5メートル
• - 空虚重量: 4,900キログラム
• - 総重量: 7,000キログラム
• - エンジン: ロールス・ロイス・チュルボメカ アドーア（推力: 40 kN）

パフォーマンス

• - 最高速度: 980キロメートル毎時
• - 実用上昇限度: 14,000メートル

武装

• - 誘導爆弾 230キログラム x 2

nEUROnは、単独で運用されるだけではなく、他の航空機との連携のもとに実戦での運用ができるよう、さらなる技術の向上が続けられています。安全性や効果的なミッションの実施が求められる現代の空中戦において、nEUROnは新たな可能性を拓く存在として注目されています。

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