ダッドリー (ストリートファイター)

ダッドリーとは

ダッドリー（Dudley）は、カプコンが開発した対戦型格闘ゲーム『ストリートファイターIII』シリーズを中心に登場する、イギリス出身の架空のキャラクターです。プロのヘビー級ボクサーであり、その端正な外見と紳士的な振る舞いが特徴です。短く整えられた髪と口髭、そして筋肉が際立つ体にフィットした服装に、サスペンダー付きの深緑色のズボン、蝶ネクタイというフォーマルな装いをしながら、常に青いボクシンググローブを着用しています。

生い立ちと人物像

ダッドリーの少年時代は、スポーツ選手として成功し、事業家としても裕福であった父のもと、恵まれた環境で育ちました。しかし、彼が大学生の頃、些細な失敗から人に欺かれ、父の事業が破綻。一家は突如として困窮状態に陥ります。この逆境から這い上がるため、ダッドリーはボクシングの道を志し、類稀なる努力によってヘビー級ボクサーとして頂点に立ちます。その成功により、失われたかつての財産を取り戻すことに成功しました。リュウからも英国で最も完成されたボクサーとして評価されており、その実力と功績が認められ、ボクサーとしては異例ともいえる特別な称号「サー」を拝受しています。

性格は非常に高潔で、完璧なファイトとクリーンな戦いを好みます。礼儀正しく、無作法な言動を嫌いますが、内に秘めた闘志は強く、困難にも正面から立ち向かう精神力を持っています。好物は紅茶であり、いかなる時もボクシンググローブを外さないという徹底したこだわりを持っています。自宅には広大な薔薇園を所有しており、その手入れを趣味としています。この薔薇園は非常に広く、迷路のようになっており、脱出に数時間を要することもあるとされています。

ダッドリーにはオルトー・K・ゴッチという名の専属執事がおり、彼に深く信頼を寄せています。ゴッチは執事としても非常に優秀であり、執事界では伝説的な存在として知られ、神月かりんの執事である柴崎やラシードの執事であるアザムとも面識があります。特に彼が入れる紅茶は絶品として有名です。ゴッチは主人の身なりを整えることを好み、時間にルーズな人間や下品な振る舞いを嫌います。

ストーリーにおける役割と他キャラクターとの関係

『ストリートファイターIII』および『2nd IMPACT』では、父から奪われた愛車である高級車ジャガーの行方を追っていました。このジャガーは最終的にギルが所持していることが判明し、ダッドリーはギルとの戦いを経てこれを取り戻します。『3rd STRIKE』では、そのジャガーを自ら運転して登場する演出があり、物語の舞台は英国王室の御前試合を控えたダッドリーが、そのためのトレーニングとしてストリートファイトに身を投じる、という展開になります。

『スーパーストリートファイターIV』は『ストIII』より前の時系列が舞台となっており、ここでは父の愛車はまだ捜索中です。世界格闘大会S.I.N社からの招待を受け、ジャガー捜索の気分転換と自宅の薔薇園に植える新しい薔薇の苗を探すという二つの目的を兼ねて大会に参加します。同作ではマイク・バイソンがライバルキャラクターとして登場。バイソンは現英国チャンプであるダッドリーを「甘ちゃん」と見下し戦いを挑みますが、ダッドリーは彼の粗暴な言動を快く思わず、勝利時には「君はボクサーの恥だ」と糾弾します。また、最終ボスであるセスもダッドリーの技のデータを高く評価し、回収を試みていました。『ストリートファイター X 鉄拳』では、エレナとタッグを組んで登場します。

ゲームプレイの特徴

ダッドリーのバトルスタイルは、純粋なボクシングに基づいています。そのため、蹴り技は一切使用せず、キックボタン入力でもパンチ技が繰り出されます。数多くのターゲットコンボ（特定の通常技の連続入力で派生する連携技）を持つことが大きな特徴です。

同じボクサーであるマイク・バイソンが長いリーチや突進技で相手を画面端に追い詰めるパワー型なのに対し、ダッドリーは相手との距離を詰め、近距離での連続攻撃でダメージを与えるラッシュを得意とします。優秀な特殊技やターゲットコンボを駆使することで、手数が多く、威力も高い波状攻撃を仕掛けられるキャラクターです。『ストリートファイターIII 3rd STRIKE』においては、その爆発力からユン、春麗に次ぐ強キャラクターの一角と数えられました。

一方で、弱点としては、下段攻撃のバリエーションが少ない点が挙げられます。攻撃の比重が上中段に偏りがちなため、相手に上段攻撃をブロッキングされやすく、反撃を受けやすいという側面も持ち合わせています。

特徴的なシステムとして、自身の背中を向けつつ薔薇を投げる「パーソナルアクション」があります。この薔薇には攻撃判定があり、投げた後に次に出す攻撃の威力を一時的に高める効果があります。

主要な技としては、アッパーカットで飛び上がる「ジェットアッパー」、素早いジャブの連打からアッパーに繋ぐ「マシンガンブロー」、相手の攻撃を受け流してカウンターを放つ「クロスカウンター」、低い姿勢で前進する移動技で様々な派生技を持つ「ダッキング」などがあります。また、スーパーアーツやウルトラコンボには、連続アッパーの「ロケットアッパー」、デンプシー・ロールからの連撃「ローリングサンダー」、強烈なストレートの「コークスクリューブロー」といった大技を備えています。

その他の登場作品と担当声優

『ストリートファイター』シリーズ以外にも、SNKとのクロスオーバー作品である『CAPCOM VS. SNK 2』ではロンドンステージの背景に執事とともに登場し、新聞を読む姿を見せています。また、トレーディングカードゲーム『SNK VS. CAPCOM 激突カードファイターズ』シリーズにもカードとして登場しています。

担当声優は、初期の『ストIII』シリーズではBruce Robertson氏（初代・2nd IMPACT）とFrancis Diakewsky氏（3rd STRIKE）が務めました。『ストIV』シリーズ以降、日本語版は楠見尚己氏、英語版はStuart McLean氏が声を担当しています。

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