ダディ竹千代のオールナイトニッポン

ダディ竹千代のオールナイトニッポン

『ダディ竹千代のオールナイトニッポン』は、ニッポン放送の深夜番組『オールナイトニッポン』で放送されていたラジオ番組です。パーソナリティは、ダディ竹千代&東京おとぼけCATSで活動していたダディ竹千代が担当しました。

放送期間は1980年4月2日から同年12月25日までと、わずか9ヶ月でしたが、その内容は強烈なインパクトを残しました。番組開始当初は水曜2部（毎週水曜日深夜27:00～29:00）でしたが、同年7月からは木曜1部（毎週金曜日深夜25:00～27:00）に昇格しています。

概要

ダディ竹千代がオールナイトニッポンのパーソナリティに起用されたきっかけは、1979年度のナイターオフ番組『俺たち音楽仲間』での活躍でした。ディレクターの岡崎正通に抜擢され、この番組での好評を受け、満を持してオールナイトニッポンのパーソナリティに就任。水曜2部からスタートしました。

ダディ竹千代は、ライブステージで見せる過激で破天荒なパフォーマンスさながらに、コミカルかつエネルギッシュなトークを展開しました。番組は、ダディに関する話題や噂話にダディ本人が割って入り、タイトルコールをするというユニークなオープニングで幕を開けていました。

番組内容は、リスナー参加型の企画が中心でした。「日本のチベットを求めて」ではリスナーが地元の田舎自慢を繰り広げ、「世の中これはどうなってるんだ？コーナー」では日常の疑問をコント形式で解き明かすなど、ユニークな企画が人気を博しました。他にも、共演した女性歌手やミュージシャンをゲストに招き、その素顔に迫るトークコーナーや、当時ブームだった芳賀書店のビニ本プレゼントなど、過激な企画も存在しました。

しかし、ARBやアナーキーをゲストに招いた際、スタジオで大騒ぎを起こし、ディレクターが始末書を書く事態に発展。これが原因となり、番組は年内で打ち切りとなってしまいました。

木曜1部の後任パーソナリティは、当時漫才ブームの最中に人気絶頂だったツービートのビートたけし（北野武）でした。ビートたけしは、番組にも「世の中、これはどうなっているんだ」コーナーにゲスト出演しており、縁がありました。しかし、ダディ竹千代の番組が9ヶ月で終了したことを受け、『ビートたけしのオールナイトニッポン』の初回放送で「いつまで続くかわかりませんけど、ダディ竹千代の記録だけは破りたいですなあ！」と発言。その直後にダディ竹千代本人がゲスト出演し、下ネタや放送禁止用語を交えた過激なトークを繰り広げ、最初のCMまでの時間、番組を盛り上げました。

主なコーナー

世の中これはどうなってるんだ？

リスナーから寄せられた日常の疑問を、コント形式で解き明かす人気コーナーでした。

例：「家の前にある一方通行の道の途中に反対方向を示す矢印のマークがあるのはどうなってるの」
例：「『たばこの火を“貸す”』というが、貸した火はいつ帰すのか」

吉野家のCMソング「いつも『牛丼一筋80年』と言っているのはおかしいのではないか。本当はいつが80年なのか」という疑問に対し、ダディ竹千代が吉野家本社に直接出向き、「本当は去年（1979年）が80年です」との回答を得たというエピソードも残っています。

1980年8月頃にはツービートがゲスト出演し、リスナーからの投稿に対してツッコミを入れるなど、コーナーを盛り上げました。

日本のチベットを求めて

リスナー同士が地元の田舎自慢を競い合うコーナーでした。

短命ではありましたが、『ダディ竹千代のオールナイトニッポン』は、その破天荒な内容で、深夜ラジオ史に名を刻む伝説的な番組として、今も語り継がれています。

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