ダナンジャーニ経

ダナンジャーニ経について

概要

『ダナンジャーニ経』は、パーリ仏典の経蔵に収められた重要な経典で、第97経に当たります。別名では『陀然経』や『梵志陀経』とも呼ばれ、類似の内容を持つ漢訳の『中阿含経』第27経「梵志陀然経」とも関連しています。この経は、著名な僧侶であるサーリプッタ（舎利弗）が、婆羅門のダナンジャーニに対して仏法の教えを説く様子を描いています。

登場人物

サーリプッタ（舎利弗）

仏教の教義に精通した高僧で、釈迦の弟子です。仏法を広めることに情熱を注いでおり、友人であるダナンジャーニに貴重な教えを伝えようと奮闘します。

ダナンジャーニ（陀然）

婆羅門の身分を持つダナンジャーニは、一応仏教に帰依しているものの、世俗的な生活を送っています。サーリプッタの友人であり、深い議論を交わす相手として登場します。

場面設定

話は、釈迦がラージャガハ（王舎城）の蚕桑の松林に滞在している時に展開されます。サーリプッタは近くに住む旧友であるダナンジャーニのもとを訪れます。二人の間には、善悪の行いについての重要な対話が生まれます。

物語の展開

サーリプッタは、ダナンジャーニに精進の状況を尋ねます。ダナンジャーニは出家していないこともあり、世俗の人間が背負うべき7つの義務について説明します。彼は、忙しい現実の中で修行に励む余裕が無いと答えます。しかし、サーリプッタは、立場に関わらず行いがどうであるかが重要であると力説し、人生の根本原則を思考させます。

その後、ダナンジャーニが重い病に incapacitated されると、サーリプッタは彼を訪ねます。ダナンジャーニは梵天を信仰しており、転生先に無色界よりも梵天界を望むと語ります。サーリプッタは、彼にとって本当に重要なことについて考えさせるよう、導こうとします。

結末

最終的に、ダナンジャーニはその望み通りに死後、梵天界に生まれ変わるのです。このエピソードは、行動の結果や信仰の本質に対する深い洞察を提供し、仏教の教えが持つ普遍的な価値を示しています。

日本語訳

この経典は、以下の日本語訳書が存在します：

• - 『南伝大蔵経・経蔵・中部経典3』（第11巻上） 大蔵出版
• - 『パーリ仏典 中部（マッジマニカーヤ）中分五十経篇II』 片山一良訳 大蔵出版
• - 『原始仏典 中部経典3』（第6巻） 中村元監修 春秋社

参考資料

この経典に関するさらなる情報や異なる視点を知るためには、以下のリンクを参考にしてみてください。

• - Dhanañjānisuttaṃ - Tipitaka.org
• - Dhanañjani Sutta: To Dhanañjanin - translated by Thanissaro Bhikkhu

ダナンジャーニ経を通じて、仏教の教えが持つ深遠な意味を理解する手助けができれば幸いです。

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