ダニエル・フィンチ (第2代ノッティンガム伯)

ダニエル・フィンチ - 第2代ノッティンガム伯

ダニエル・フィンチ（1647年7月2日 - 1730年1月1日）は、第2代ノッティンガム伯および第7代ウィンチルシー伯として知られるイギリスの貴族であり、重要な政治家でした。彼は初代ノッティンガム伯ヘンエッジ・フィンチとエリザベス・ハーヴェイの息子としてロンドンに誕生しました。

生い立ちと教育

フィンチは1658年から1659年までインナー・テンプルとウェストミンスター・スクールに通い、その後1662年にはオックスフォード大学のクライスト・チャーチに入学しました。1665年から1668年には、ドイツ、イタリア、フランスを巡るグランドツアーを行い、幅広い視野を養いました。1668年には王立協会のフェローに選出され、学問の世界でも頭角を現しました。

政治キャリアの始まり

フィンチの政治キャリアは、1673年にウィルトシャーのグレート・ベッドウィンで下院議員に選出されたことから始まります。その後、1679年にはスタッフォードシャーのリッチフィールドに立候補し、1681年から1684年には海軍卿として政府に仕官しました。しかし、その後彼はジェームズ2世の政権から遠ざけられることとなります。

とりわけ、1688年の名誉革命に際して、フィンチは和睦の使者としてオランダ総督ウィレム3世との交渉に赴き、暫定政権に加わって治安を維持しました。この時点から、彼はウィリアム3世及びメアリー2世のもとで重要な政務に関与するようになりました。

政権内での役割

1689年、フィンチは北部担当国務大臣に任命され、次いで1690年には南部担当国務大臣に転任しました。彼の役割は重要で、イングランド艦隊の準備に力を入れ、バルフルール岬やラ・オーグの海戦での勝利に貢献しました。しかし、議会からはその消極的な姿勢が批判され、1693年のラゴスの海戦では艦隊が壊滅し、彼は主導権を失うこととなりました。これにより、彼は一時的に政権から外れることになります。

その後、フィンチはトーリー党の急進派として活動し、1702年にウィリアム3世が亡くなると、義妹のアンが即位する際に再度南部担当国務大臣に任命されました。しかし、1704年には穏健派との対立から辞任し、ジャコバイトの反乱を受けて政権から排除されます。

晩年と死去

フィンチは1711年に政権を争う中でも野党に留まり、議会において政府の政策に反対を貫きました。1714年にアンが死去し、ジョージ1世が即位すると、フィンチはトーリー党員として唯一枢密院議長に選ばれますが、1715年のジャコバイト反乱を受けて翌年には更迭され、政界から引退しました。

1730年に82歳で亡くなるまで、彼の貴族としての影響力は持続しました。彼の長男ダニエルがノッティンガム伯位とウィンチルシー伯位を継承しました。

家族

フィンチは1674年にウォリック伯の娘エセックスと結婚し、 daughter メアリーをもうけました。メアリーは後にハリファックス侯ウィリアム・サヴィルと結婚します。その後、フィンチは1685年にハットン子爵の娘アンと再婚し、彼との間に10人の子供を授かりました。彼の子孫には、第3代ノッティンガム伯などが含まれ、名門としての伝統を受け継ぎました。

参考文献

• - 友清理士『イギリス革命史（下）』研究社、2004年。
• - 今井宏編『世界歴史大系 イギリス史2 -近世-』山川出版社、1990年。
• - 友清理士『スペイン継承戦争 マールバラ公戦記とイギリス・ハノーヴァー朝誕生史』彩流社、2007年。

フィンチの政治的キャリアと家族背景は、彼が生きた時代のイギリスにおける権力の変遷を反映しており、今なお歴史的な教訓を提供しています。

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