ダニエル・フィンチ (第8代ウィンチルシー伯爵)

ダニエル・フィンチ (第8代ウィンチルシー伯爵、第3代ノッティンガム伯爵)

ダニエル・フィンチは、1689年5月24日に生まれたグレートブリテン王国の貴族であり、政治家であった。彼は第7代ウィンチルシー伯爵である父ダニエル・フィンチと、母アン・ハットンの長男として育った。フィンチはウェストミンスター・スクールを卒業後、1704年にオックスフォード大学のクライスト・チャーチに入学した。その後、彼は1708年から1710年まで大陸ヨーロッパを旅した。

この時期に、1710年のイギリス総選挙ではラトランド選挙区で議席を獲得し、議会入りを果たす。最初はトーリー党の一員とされていたが、1711年12月の「スペインなくして講和なし」の動議に際しては父親とともにトーリー党政権の施策に反対した。この行動によって、再選の可能性が危ぶまれたが、1713年の総選挙で再び当選した。

再選直後には、ホイッグ党への支持を示す一方で、「気まぐれなトーリー党員」としての立場を維持していた。1714年、アン女王の死後にはタウンゼンド子爵派のホイッグ党に味方し、1715年にはオーモンド公爵の弾劾に賛成し、1717年には対スウェーデン戦争の準備には反対した。

1720年には、ロバート・ウォルポールらの辞任を受けてホイッグ党が分裂した際、議案に反対票を投じた。しかし、ウォルポールら野党派との距離を保ち、1720年の南海泡沫事件では利益を得た。1723年に再び議会に戻り、1725年にはボリングブルック子爵の財産没収を取り消す提案を提出した。また、同年に枢密顧問官に任命され、王室監査官を1725年から1730年まで務めた。さらに、1728年にはケンブリッジ大学から名誉学位を授与された。

父が亡くなった1730年1月に、ウィンチルシー伯爵およびノッティンガム伯爵の称号を継承した。その後、カートレット男爵と共に辞任し政治的に野党に転じた。彼は、1742年から1744年、また1757年の一時期には海軍卿の役職を担った。1765年から1766年には枢密院議長も務めたが、そのほとんどの期間を野党として活動した。

1752年にはガーター勲章を授与され、彼の政治の足跡を後世に残した。ダニエル・フィンチは1769年8月2日にフラムで亡くなり、レイヴェンストーンで埋葬された。彼には娘しかおらず、爵位は甥に継承された。

家族

ダニエルは1729年にフランシス・フェイルディングと結婚し、1人の娘をもうけた。この娘は生涯未婚であった。また1738年にはメアリー・パルマーと結婚し、4人の娘を得た。これらの結婚生活を通じて、フィンチ家はその血筋を継承していった。

後に、娘の一人は1788年に第4代準男爵ジョージ・オズボーンと婚姻を結ぶなど、フィンチ家は広がりを見せた。ダニエル・フィンチの政治家としての影響と家族のつながりは、当時のイギリス社会において重要な役割を果たしていたことがうかがえる。

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