ダニエル・ローマン (ボクサー)

ダニエル・ローマン

ダニエル・ローマン（Daniel Roman）は、1990年5月10日にカリフォルニア州ロサンゼルスで生まれたアメリカのプロボクサーです。彼は元WBAスーパー・IBF世界スーパーバンタム級統一王者として知られています。

来歴

ローマンは、7歳の頃、サッカーチームでのいじめがきっかけで自衛の手段としてボクシングを始めました。父親の勧めでボクシングの道に進み、アマチュアとしてのキャリアを積み上げました。2008年の北京五輪出場を目指したものの、アメリカ代表選考で敗退し、一時ボクシングから離れました。この間、吉野家でキッチンスタッフとして働きながら、他のスポーツを模索しましたが、どれも彼が抱く情熱とは程遠く、20歳でボクシングに再び戻る決心をしました。

プロキャリアの始まり

2010年10月8日、ローマンはカリフォルニア州オンタリオでクリスチャン・クルスとの対戦を経てプロデビューを果たします。デビュー戦では初回にKO勝ちを収め、スムーズにスタートを切りました。しかし、2011年には岡田隆志との試合で失敗し、波乱に満ちたプロ生活の始まりを予感させました。

タイトル獲得までの道

ローマンは、2015年にNABA北米スーパーバンタム級王座を獲得し、2016年にはその王座を防衛しました。2017年には、WBA世界スーパーバンタム級レギュラー王者の久保隼を相手にTKO勝ちを果たし、正規王者に認定される快挙を達成します。

その後も順調にタイトル防衛を重ね、2018年にはWBA世界スーパーバンタム級王座を保持しながら他団体の王座も獲得し、王者としての地位を確立しました。特に、DF日本人選手の松本亮との試合では、学校ゆかりのアリーナが盛り上がり、ローマンはこれを乗り越えて初防衛を成功させました。

キャリアの波と困難

2019年にはIBF王者テレンス・ジョン・ドヘニーとの試合で勝利し、WBAからユニファイド王者に認定されました。しかし、その後も試合において苦しい局面に立たされ、2020年にはWBAの王座を失いました。この試合は彼のキャリアのターニングポイントとなり、精神的にも大きな影響を及ぼしました。

その後、2022年にはWBC・WBO世界スーパーバンタム級王者スティーブン・フルトンとの対戦を果たしましたが、再び敗北を喫します。そして、2022年8月30日に自身のツイッターで現役引退を発表しました。

人柄と背景

ローマンは統一王者でありながら、依然としてロサンゼルスのサウス・ロサンゼルスで父と弟たちと共に生活をしています。自家用車を持たず、トレーナーに送迎を頼む日々を過ごしており、「人並みに欲しいものはあるが、もっと安全な場所に住むために今は貯金している」と語る姿勢には、彼の真剣なボクシングへの姿勢が伺えます。

戦績

プロボクシングでは、34戦を重ね29勝（10KO）、4敗、1分という成果を残しています。獲得したタイトルには、NABA北米スーパーバンタム級王座や、WBA世界スーパーバンタム級王座、IBF世界スーパーバンタム級王座があります。

ダニエル・ローマンのボクシングキャリアは、彼の情熱と努力の集大成であり、多くのボクシングファンに強い印象を残しました。

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