ダノンカモン

ダノンカモン：重賞22戦目で掴んだ栄光と惜しまれる最期

2006年北海道安平町のノーザンファームで誕生したダノンカモンは、セレクトセール当歳市場で4305万円の高値で落札され、競走馬としてのキャリアをスタートさせました。栗東・池江泰寿厩舎に入厩し、2008年9月、新潟競馬場の2歳新馬戦でデビュー。見事な勝利を収め、将来を期待させるデビューを飾ります。

2歳時はいちょうステークスも制覇するものの、東京スポーツ杯2歳ステークスでは4着、さざんかステークスでは6着と結果を残せず、潜在能力の高さを示唆するものの、まだ課題を残すシーズンとなりました。

3歳になると、クラシック路線に挑戦するも、きさらぎ賞6着、京都新聞杯8着と苦戦。その後はダート路線に転向し、秋嶺ステークスで初勝利を挙げます。以降、ダートを主戦場として活躍の場を広げました。霜月ステークス3着、ギャラクシーステークス2着と着実に力をつけ、オープン特別競走でも上位争いを繰り広げます。

4歳になると、大和ステークス4着、オアシスステークス3着と惜しいレースが続きますが、降級戦となった大阪スポーツ杯で勝利し、再びオープンに昇級。ペルセウスステークスを制覇し連勝を飾ると、武蔵野ステークスでは重賞初連対となる2着に入りました。

5歳では大和ステークスで6勝目を挙げ、根岸ステークス2着、フェブラリーステークス4着とGIレースでも好走を見せました。プロキオンステークスでは2着、エニフステークスでは7勝目を挙げ、マイルチャンピオンシップ南部杯では2着と活躍を続けました。しかし、武蔵野ステークスでは2着、ジャパンカップダートでは5着と、重賞での勝利には届きませんでした。

6歳になると、根岸ステークス5着、フェブラリーステークス4着と、前年ほどの活躍はできませんでしたが、武蔵野ステークスでは3着と健闘しました。しかし、ジャパンカップダートでは14着と大敗を喫します。

7歳では、根岸ステークス9着、フェブラリーステークス8着と低迷しましたが、地方交流競走のかきつばた記念で2着に入るなど、底力を見せつけました。そしてアハルテケステークスで8勝目を挙げ、オープン特別競走4勝目を達成しました。その後、プロキオンステークスで3着に入るも、長期休養に入ります。

8歳になると、4年連続出走となった根岸ステークスとフェブラリーステークスでそれぞれ9着、7着と結果を残せず。しかし、名古屋大賞典で念願の重賞初制覇を達成しました。その後、かきつばた記念3着、日本テレビ盃2着など、重賞レースでも活躍を続けました。

9歳になると、佐賀記念で3着に入るなど、最後まで現役を続けますが、マーチステークス7着、アンタレスステークス11着、アハルテケステークス11着と、徐々に成績が下降。このアハルテケステークスが最後のレースとなり、競走馬登録を抹消。種牡馬になる予定でしたが、引退から3か月後の9月27日、急性心不全により9歳で急逝しました。

ダノンカモンは、多くの重賞レースで好成績を収め、ダート路線を代表する競走馬として活躍しました。惜しくも重賞勝利が少なかったものの、その粘り強い走りや高い人気は、多くのファンに深い印象を与えました。その短い生涯は、競走馬としての才能と魅力を余すことなく示した、記憶に残るものだったと言えるでしょう。

なお、ダノンカモンは半兄に名古屋グランプリ勝ち馬のワイルドソルジャー、半妹に阪神牝馬ステークス勝ち馬のクィーンズバーン、母の妹にクラスターカップ勝ち馬のゴールデンチェリーと、近親に多くの活躍馬を持つ名門一族に属していました。彼の血統背景も、彼の才能の一端を垣間見せるものと言えるでしょう。

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