ダモクル

ダモクル (Damoclès): フランス製高性能照準ポッド

ダモクル（フランス語: Damoclès）は、フランスのタレス・グループが開発した第3世代の照準ポッドです。フランス空軍および海軍航空隊の戦闘攻撃機に採用されており、精密な目標照準と偵察能力を提供します。

特徴

ダモクルは、以下の様な高度な機能を備えています。

長距離レーザー照準器: ペイブウェイやBGLなどのレーザー誘導兵器を精密に誘導します。
統合ナビゲーションFLIR: 高解像度画像を提供し、昼夜を問わず目標を捕捉します。
高解像度画像: 目標の詳細な情報を取得し、正確な攻撃を支援します。
各種誘導兵器との互換性: レーザー誘導弾、画像誘導兵器、AASM GPS/慣性/レーザー誘導兵器と完全に互換性があります。
リアルタイム画像伝送: 偵察機能により、地上局へ画像を瞬時に送信できます。
高い堅牢性とメンテナンス性: 過酷な環境下での運用を考慮し、堅牢な設計と容易なメンテナンスを実現しています。

ダモクルは、レーザー兵器を最大射程（16km）まで誘導し、27kmの距離から装甲車両を識別できます。また、同範囲での攻撃後の分析も可能です。

輸出

ダモクル照準ポッドは、以下の国々に輸出されています。

マレーシア: スホーイSu-30MKM戦闘機に搭載
アラブ首長国連邦: ダッソー・アビアシオン ミラージュ2000-9に搭載
サウジアラビア: トーネードGR4、ユーロファイター タイフーンに搭載

ロシアも、マレーシアでのSu-30MKMでのシステムテストの成功を受けて、タレスのダモクル偵察・目標指示ポッドのライセンス生産を検討しました。ダモクルとロシア製ポッドとの比較試験では、フランスの設計が選ばれましたが、運用は確認されていません。

運用国

現在、ダモクルは以下の国々で運用されています。

フランス: ラファール、ミラージュ2000
マレーシア: Su-30MKM
モロッコ: ミラージュF1CM/EM-VI
サウジアラビア: トーネード GR4、ユーロファイター タイフーン
アラブ首長国連邦: ミラージュ2000-9

関連項目

フランス空軍の照準ポッド
タリオス (照準ポッド): タレス・グループ製の次世代照準ポッド
ATLIS (照準ポッド) / PDLCT (照準ポッド): ダモクルの前任の照準ポッド
AN/AAQ-33|AN_AAQ-33 スナイパーXR / AN/ASQ-228|AN_ASQ-228 ATFLIR: 他国製の同世代の照準ポッド
* ライトニング (照準ポッド)

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