ダラムサラ

ダラムサラは、インドのヒマーチャル・プラデーシュ州にある、チベット亡命社会の中心地として知られています。大きく分けて、多くの亡命チベット人が暮らす「マックロード・ガンジ」地区と、チベット亡命政府の官庁が集まる「カンチェン・キション」地区の2つから構成されています。

「ダラムサラ」という名前は、「ダラムシャーラー」が訛ったもので、「ダサ」という省略形や、「リトル・ラサ」という別名もあります。日本では、チベット亡命政府の駐日代表機関である「ダライラマ法王日本代表部事務所」が「ダラムサラ」というカナ表記を使用していることもあり、この名前が広く使われています。

歴史

ダラムサラの歴史は、1848年にイギリスの支配下に入ったことから始まります。マクロード・ガンジは、かつてイギリス人がピクニックを楽しんだ場所でした。しかし、1959年に中国人民解放軍がチベットを軍事制圧したチベット動乱によって状況は一変します。多くのチベット人が中国の支配を逃れ、ネパール、ブータン、インドなどへ脱出しました。その結果、ダラムシャーラーの一角がチベット難民に提供されることになり、難民の居住地である「マックロード・ガンジ」や官庁街「カンチェン・キション」の建設が始まりました。

1959年、ダライ・ラマ14世がチベットから亡命して以降、ダラムサラはガンデンポタン（チベット亡命政府）の本拠地となっています。マクロード・ガンジの郊外には、カルマパが居住するギュトー寺があるシドゥバリなどの町もあります。

マクロード・ガンジ

マクロード・ガンジは、ダラムシャーラーの郊外、標高2,082mの山間にある地区です。その名は、イギリス領インド帝国のパンジャーブ州の州準知事であったドナルド・マクロードに由来します。1960年には、この地にチベット亡命政府が発足し、ダライ・ラマの宮殿、カシャク（内閣）、議会などの主要な施設が置かれました。現在、マクロード・ガンジ地区の人口はおよそ6万人です。

ダラムサラはヒンドゥー教と仏教が盛んな土地であり、19世紀にはチベット人による僧院の建立が始まっていました。そのため、数万人のチベット難民が移住してからも、比較的スムーズに社会に溶け込むことができたと考えられます。

関連項目：

リトル・チベット (トロント)

外部リンク：

チベット亡命政府
チベット図書館
インド ダラムサラの風
ダラムサラ・ガイド
ダラムサラについて

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