ダリオ・バルジュー

ダリオ・バルジュー：イタリアが生んだ名手と日本の絆

ダリオ・バルジューは、1976年8月24日、イタリアのサルディニア島で生まれました。類まれな才能を持つ騎手として、イタリア、そして日本競馬の歴史に名を刻んでいます。

イタリアでの華々しい活躍

1999年、イタリアで騎手免許を取得すると、すぐに頭角を現し始めます。2001年には850戦120勝という好成績でリーディング4位にランクイン。その後も活躍は続き、2002年には名馬ファルブラヴに騎乗し、イタリア共和国大統領賞とミラノ大賞典を制覇しました。同年のジャパンカップでは、ランフランコ・デットーリ騎手がファルブラヴに騎乗したため、バルジュー騎手は参戦できませんでしたが、イタリア競馬界における彼の地位は不動のものとなりました。2003年にはレヴィエデイコロリとのコンビでヴィトリオディカプア賞（G1）を制し、年間獲得賞金1位に輝きました。2005年にはリーディング12位、そして2006年には見事リーディングジョッキーの座を獲得するなど、イタリア競馬界を牽引する存在として活躍しました。しかし、2020年には新型コロナウイルス感染症（COVID-19）に感染するアクシデントに見舞われました。

日本での挑戦：短期免許とJRAでの活躍

バルジュー騎手の日本との関わりは、2002年に始まります。同年11月から翌年2月まで、初めてJRAの短期免許を取得し来日。鈴木伸尋調教師とシンボリ牧場を身元引受人として、日本の競馬界に飛び込みました。初騎乗は中山競馬場でのレースで、初勝利はアプローズ賞、そしてJRA重賞初制覇はフェアリーステークスと、華々しいスタートを切ります。翌2003年には、朝日杯フューチュリティステークスをコスモサンビームで制し、JRA-GI初制覇を成し遂げました。本人も「思い通りに乗れた」と語る会心の騎乗でした。2004年には、後のクラシックホースとなるキングカメハメハに騎乗するも3着に敗れるという経験もしました。その後も、2006年、2007年と短期免許を取得し、日本の競馬場で活躍を続けました。

日本移籍への挑戦と断念

バルジュー騎手は、日本の競馬への強い憧れを抱き、2015年と2016年にはJRAの騎手免許試験に挑戦しました。しかし、惜しくも2度とも不合格に終わります。この結果を受け、日本への移籍を断念することとなりました。

主な騎乗馬

・ファルブラヴ（イタリア共和国大統領賞、ミラノ大賞典など）
・ホワイトカーニバル（フェアリーステークス）
・コスモサンビーム（朝日杯フューチュリティステークス）
・マルターズヒート（フェアリーステークス）
・マーティンボロ（中日新聞杯）
・マクマホン（カタールダービー）

親日家としてのバルジュー

2002年の初来日以降、バルジュー騎手は日本を愛するようになりました。2013年には、簡単な日本語会話ができるようになり、納豆を好物とするなど、日本文化にも深く浸透しています。

まとめ

ダリオ・バルジューは、イタリアでの輝かしい実績、日本のJRAでの短期免許取得と活躍、そして日本への移籍挑戦と断念というドラマティックな人生を送ってきました。彼の技術と情熱、そして日本への深い愛情は、多くの競馬ファンに感動を与え続けています。イタリアと日本の競馬界を繋ぐ、重要な存在として、これからも彼の活躍を期待したいところです。

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