ダンディルート

ダンディルート：フランスの競走馬から日本の種牡馬へ

ダンディルート (1972年5月10日 - 1980年11月10日) は、フランスで生まれ育ち、日本競馬史に大きな足跡を残した競走馬です。フランスで3つの重賞競走を制覇し、その後日本へ種牡馬として輸出されました。その活躍は、競走馬としてのキャリアのみならず、種牡馬としての成功にも及びます。

華麗なる競走馬時代

松岡正雄氏と藤田正明氏という、日本を代表する馬主によってフランスで購入されたダンディルートは、フランスを舞台に競走生活を送りました。G3競走を3勝という輝かしい戦績を残し、フランスのクラシック競走であるプール・デッセ・デ・プーラン（フランス2000ギニー）で3着、さらにG1競走であるフォレ賞で2着に入るなど、常にトップクラスの競走馬と渡り合いました。3歳で競走馬を引退すると、すぐに日本へと渡り、静内スタリオンステーションで種牡馬としての新たなキャリアをスタートさせます。

種牡馬としての実績

ダンディルートは、藤正牧場の繁殖牝馬を主に交配されました。そして、驚異的な成功を収めます。初年度からトウショウゴッド、ポリートウショウという2頭の重賞優勝馬を輩出しました。その後もエイティトウショウなど、数々の重賞勝ち馬を送り出し、その産駒たちは中距離路線で活躍しました。1980年11月、わずか8歳で急死するも、5世代の産駒を残しました。彼の産駒はGI級競走を制覇することはありませんでしたが、全ての世代から重賞優勝馬を輩出するという偉業を達成しました。

特に、トウショウペガサスとビゼンニシキという2頭の代表的な産駒は、後継種牡馬として活躍し、それぞれGI優勝馬を輩出しています。さらに、短命に終わったトウショウゴッドからも、重賞5勝馬ヌエボトウショウが出ているなど、その遺伝子の力は驚くべきものがあります。

ダンディルートの父系は、ビゼンニシキからダイタクヘリオス、ダイタクヤマトへと続き、トウショウペガサスからはグルメフロンティアへと受け継がれていきました。しかし、ダイタクヤマトが2010年に種牡馬を引退して以降、ダンディルート直系の種牡馬は途絶えてしまいました。それでも、トウショウ牧場の繁殖牝馬にはその血が受け継がれており、現在でも血統表にその名を見ることができます。

代表的な産駒

ダンディルートの産駒は、数々の重賞競走で活躍しました。代表的な産駒として、以下の馬が挙げられます。

トウショウゴッド (弥生賞、目黒記念・春、ダービー卿チャレンジトロフィー)
ポリートウショウ (クイーンカップ)
エイティトウショウ (中山記念2回、金杯・東、ラジオたんぱ賞)
トウショウペガサス (中山記念、ダービー卿チャレンジトロフィー)
アップセッター (ニュージーランドトロフィー4歳ステークス、新潟記念)
モミジビューティー (北海道3歳優駿)
* ビゼンニシキ (共同通信杯4歳ステークス、スプリングステークス、NHK杯)

血統と未来

ダンディルートの父は、ジャック・ル・マロワ賞やリュパン賞などを制した名種牡馬リュティエです。リュティエは、凱旋門賞優勝馬サガスなど、多くの活躍馬を輩出しました。ダンディルートの近親にも、重賞勝ち馬が多く存在します。

短命に終わったものの、ダンディルートは競走馬、種牡馬として輝かしい実績を残し、日本競馬界に多大な影響を与えました。その血統は、現在も日本の競馬界に息づいています。彼の伝説は、これからも語り継がれていくでしょう。

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