ダーモット・ウェルド

ダーモット・ウェルド - アイルランドの調教師

ダーモット・ウェルド（Dermot K. Weld）は1948年7月29日に生まれ、アイルランドのカラ競馬場近郊、ローズウェルハウスを拠点に活動する著名な調教師です。彼はアイルランド競馬の主要な人物の一人であり、数多くの勝利を収めてきました。

経歴

ウェルドはアイルランド・キルデア県で育ち、後にユニバーシティ・カレッジ・ダブリン（UCD）で獣医師の資格を取得しました。その後、彼は調教師免許を取得する前に障害競走（ナショナル・ハント）のアマチュア騎手として活躍し、調教界へ進む道を選びます。

1972年に、彼は父親のチャーリーの厩舎を受け継ぎ、ローズウェルハウスで独自の厩舎を開設しました。2年後、1974年にはスティールハート（Steel Heart）でイギリスのミドルパークステークスを制し、初めてのG1勝利を記録しました。1983年にはアイルランドリーディング調教師の称号を獲得し、1998年までに合計8回のリーディングを達成しました。

さらに、1996年にはザグレブ（Zagreb）で愛ダービーを勝利し、これはアイルランドのクラシック競走を完全制覇する偉業につながりました。2000年8月には、アイルランドでの通算2577勝を達成し、その後も成績を伸ばし、2016年6月には4000勝を達成しました。

競馬の名将

2000年代に入ると、エイダン・オブライエン厩舎の台頭にしばしば押される形になりましたが、ウェルドは2010年代においても数々の名馬を輩出しました。その中でも特にハーザンド（Harzand）は、彼の厩舎にとって初の英ダービー制覇をもたらした重要な存在です。この他にも、ファシネイティングロックやフリーイーグルといった馬たちも成功を収めました。

特筆すべきは、ウェルドの大レースでの強さです。彼はパット・スマレンとのコンビで多くの勝利を挙げ、競馬界での名声を確立してきました。その実績は国内に留まらず、海外競走にも積極的に挑んでおり、オーストラリアのメルボルンカップを2度制するなど、国際的な舞台でも名を馳せました。また、1990年にはアメリカでのクラシック競走、ベルモントステークスをゴーアンドゴー（Go and Go）で制覇しました。

主な勝ち鞍

ウェルドの勝利の中でも特に注目されるのは、アイルランドにおける数々の重要なレースです。以下は彼が手にした主なタイトルのリストです：

• - 愛1000ギニー: 4勝（1982年 Prince's Polly、1988年 Trusted Partner、2006年 Nightime、2010年 Bethrah）
• - 愛2000ギニー: 1勝（1986年 Flash of Steel）
• - 愛ダービー: 3勝（1996年 Zagreb、2004年 Grey Swallow、2016年 Harzand）
• - 愛オークス: 2勝（1981年 Blue Wind、1996年 Dance Design）
• - 愛セントレジャー: 7勝（1993-1994年 Vintage Crop、2001-2004年 Vinnie Roe、2013年 Voleuse de Coeurs）
• - アメリカ: アメリカンダービーで3勝、ベルモントステークスなど国内外の競走でも数々の成功を収めています。

ダーモット・ウェルドは、数多くの名馬を育て上げ、国際的な舞台でもその実力を証明してきた調教師であり、今後の活躍も期待されます。

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