ハーザンド

ハーザンド：英愛ダービー制覇の栄光と挫折

ハーザンドは、アイルランドで生まれ育ったサラブレッド競走馬です。その名を世界に知らしめたのは、2016年の快挙、英ダービーと愛ダービーの制覇でした。2つのクラシックレースを制した彼の活躍は、多くの競馬ファンを魅了しました。

2015年9月、競走馬としてのキャリアをスタートさせたハーザンド。デビュー戦は5着と振るわず、2歳時はこの1戦のみでシーズンを終えました。しかし、翌年3月、未勝利戦で圧巻の16馬身差をつけて初勝利を飾ると、勢いに乗って3戦目のバリーサックスステークスでも重賞初制覇を達成。クラシック戦線への挑戦権を掴みました。

そして迎えた英ダービー。レース直前に蹄に不具合が生じるアクシデントに見舞われ、出走すら危ぶまれる事態となりました。しかし、関係者の決断により、ハーザンドはゲートイン。1番人気に推された強豪ユーエスアーミーレンジャーを1馬身半差で退け、見事勝利を収めました。この勝利は、調教師のダーモット・ウェルドと騎手のパット・スマレンにとっても英ダービー初制覇となりました。

続く愛ダービーでも、強敵アイダホを相手に勝利を掴み、英愛ダービー制覇という偉業を達成しました。この勢いを駆って、凱旋門賞制覇への期待も高まりました。同馬主のシンダーが2000年に達成した英愛ダービーと凱旋門賞の同一年制覇という偉業を、ハーザンドも成し遂げるのではないかと、ブックメーカーのオッズではポストポンドに次ぐ2番人気にまで上昇しました。

しかし、古馬との初対戦となった愛チャンピオンステークスでは、まさかの8着と大敗を喫します。レース後の歩様の乱れが指摘され、凱旋門賞への挑戦も不透明となりました。そして迎えた凱旋門賞では、ファウンドに9馬身差をつけられ9着に終わり、競走馬としてのキャリアに幕を閉じました。

競走馬としての華々しい活躍を終えたハーザンドは、2017年からアイルランドのギルタウンスタッドで種牡馬としての第二の人生を歩み始めました。彼の父であるシーザスターズも同スタッドに繋養されており、新たな才能の育成に貢献しています。

ハーザンドの物語は、勝利と挫折、そして期待と失望が入り混じった、ドラマチックなものです。英愛ダービー制覇という輝かしい実績を残した一方で、凱旋門賞制覇という夢は叶いませんでした。しかし、彼の競走馬としての功績、そして種牡馬としての未来は、競馬史に新たな一ページを刻んだと言えるでしょう。 彼の活躍は、これからも多くの競馬ファンに語り継がれていくことでしょう。

競走成績（Irish Racing.comの情報に基づく）

※詳細な競走成績は、netkeiba、JBISサーチ、Racing Postなどのサイトで確認できます。

血統表

※血統表は省略。詳細な血統情報は、上記サイトなどで確認できます。

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