チェンジャーデッキ

チェンジャーデッキとは

チェンジャーデッキは、オーディオプレーヤーやレコーダーにおいて、複数のメディアを1つのデッキに格納し、長時間の連続再生や、複数のメディアからプログラムを組んで再生できる装置です。メディアの交換の手間を省き、利便性を高めるために開発されました。

様々なメディアに対応

チェンジャーデッキは、CD、MD、レコード、ビデオディスクなど、様々なメディアに対応したものが存在します。

CDチェンジャー: 複数枚のCDを連装し、長時間の連続演奏やプログラム再生が可能です。カーオーディオでマガジン式が採用されたのが始まりで、後に家庭用オーディオにも普及しました。マガジン式の他に、トレイ式やルーレット式があります。
MDチェンジャー: 複数枚のMDを連装し、長時間の連続演奏・録音やプログラム再生が可能です。ディスク交換時に一時的に再生・録音が途切れるものの、メモリーを活用して途切れを最小限に抑える工夫がされています。1996年にソニーが発売した「DHC-MD99」で5連装タイプが登場しました。
レコードチェンジャー: 複数枚のレコードを連装し、長時間演奏が可能です。ただし、再生はレコード単位で、収録曲を任意に選択することはできません。業務用ではジュークボックスとして知られています。
ビデオディスク用チェンジャー: 主に業務用で開発され、カーオーディオ向けのDVDチェンジャーもあります。カラオケ機器にも広く利用され、曲の交換の手間を省きました。
カセットチェンジャー: コンパクトカセットのチェンジャーデッキも存在し、複数巻の連続録音・再生や、目的別の録音が可能です。

チェンジャーの歴史と普及

チェンジャーデッキは、1980年代中盤にLDやビデオCDのオートチェンジャーが開発されたことで、普及が進みました。特にカラオケ機器での需要が高く、居酒屋やカラオケボックスなどで広く利用されました。

近年の状況

近年は、デジタルオーディオプレーヤーや、リッピング可能なHDD搭載のカーナビゲーションシステムの普及により、チェンジャーの需要は減少傾向にあります。また、CDプレーヤーやナビゲーションシステム自体がMP3などのデジタルファイルに対応したことで、チェンジャーの優位性も薄れてきています。

チェンジャーの構造

チェンジャーデッキの構造は、大きく分けてディスクを水平にセットするものと垂直にセットするものがあります。また、ディスクを移動させるタイプと、駆動部と読み取り部（光学ピックアップ）のユニットを移動させるタイプがあります。

マガジン式・トレー式: ディスクが収容されたトレーを移動させ、光学ピックアップを上下させて再生します。
ルーレット式: 大型ターンテーブルにディスクを載せ、回転させて位置を合わせて再生します。
縦置き式: トレー式を横倒しにしたもので、コンパクトな横幅で多くの枚数を収容できます。

チェンジャーの課題

チェンジャーは、1枚用のプレーヤーに比べて本体の外寸が大きくなるという課題があります。また、故障した場合、ディスクを取り出すことが難しい場合もあります。

まとめ

チェンジャーデッキは、複数のメディアを効率的に扱える便利な装置として、かつては広く利用されていました。近年はデジタルオーディオプレーヤーの普及により需要は減少していますが、その歴史と技術は、オーディオ機器の発展において重要な役割を果たしました。

関連項目

音響機器
カーオーディオ
ミニコンポ
カラオケ

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