チザニジン

チザニジンについて

チザニジン（Tizanidine）は、主に筋肉の緊張を和らげるために使用される医薬品であり、特に中枢神経系に作用します。この薬剤は、アルファ2アドレナリン作動薬に分類され、様々な痛みや運動障害の治療において重要な役割を果たしています。具体的には、多発性硬化症や筋萎縮性側索硬化症（ALS）、痙直型麻痺、脊髄や中枢神経系の損傷から生じる筋肉の痙攣、またはこむら返りに対して処方されます。さらに、線維筋痛症の症状緩和や、適応外として片頭痛や不眠症、てんかんの治療にも用いられることがあります。

効能・効果

チザニジンは、頸肩腕症候群や腰痛症による筋緊張の改善を目的として処方されることがあります。さらに、脳血管障害や痙性脊髄麻痺、頸部脊椎症、脳性麻痺、外傷後の後遺症、脊髄小脳変性症など、様々な状態による痙性麻痺の治療にも利用されます。2008年の研究では、チザニジンがバクロフェンやジアゼパムに比べて優れた忍容性を持ち、効果的な抗痙攣薬であることが報告されました。特に、低用量であっても強力な効果を示すため、使用に際しては注意が必要です。

使用上の注意

チザニジンは、服用時に低血圧を引き起こす可能性があり、特に起立性低血圧の病歴がある患者には慎重に使用されるべきです。また、フルボキサミンやシプロフロキサシンを同時に投与されている患者、重篤な肝機能障害のある患者、また成分に過敏症がある方には禁忌とされています。

副作用

副作用としては、眩暈、眠気、脱力感、神経過敏、幻覚、抑うつ、口渇、便秘、下痢、胃痛、胸焼けなどの症状が報告されています。特に重篤な副作用としては、ショックや急激な血圧低下、心不全、呼吸障害、肝機能障害などがあります。チザニジンは、時に肝細胞型の肝障害を引き起こすことがあり、臨床試験では患者の5%に肝機能値の異常が見られましたが、治療を中止すると症状が改善されます。そのため、初回服用から6ヶ月間は定期的に肝機能のチェックが推奨されています。

相互作用

チザニジンは、中程度以上のCYP1A2阻害薬との併用は避けるべきです。特に、フルボキサミンやシプロフロキサシンとの併用は血中濃度を著しく上昇させることがあります。また、モキシフロキサシンやレボフロキサシンなどのフルオロキノロン系抗菌剤との併用も慎重に行われるべきです。さらには、中枢神経機能を抑制する薬剤との組み合わせは注意が必要で、飲酒によっては消化不良や胸焼けを引き起こす可能性もあります。チザニジンの分布容積は約2.6リットルとされています。

まとめ

チザニジンは、筋肉の緊張や痛みを軽減するための効果的な薬ですが、使用する際は慎重さが求められます。副作用や相互作用に関する情報を十分に理解し、適切な環境で医師の指導の下で使用することが重要です。

もう一度検索