チャッチャイ・サーサクン

チャッチャイ・サーサクン（タイ語: ฉัตรชัย อีลิทยิม、英: Chatchai Sasakul、1970年2月5日 - ）は、タイ・バンコク出身の元プロボクサーです。WBC世界フライ級王座を獲得し、その名を知られました。チャッチャイ・ダッチボーイジム、チャッチャイ・イーリックジムというリングネームでも知られています。

アマチュアからプロへ

アマチュア時代には、ソウルオリンピックに出場。2回戦を突破するも、準々決勝で惜しくも敗退しました。1991年8月6日にプロデビューを果たし、その才能を開花させていきます。

1992年3月20日には、プロ4戦目にしてWBCインターナショナルフライ級王座を獲得。同年6月には、WBC世界フライ級王座を獲得したユーリ海老原（後の勇利アルバチャコフ）への挑戦が決まりましたが、腰痛が悪化したため、この挑戦は実現しませんでした。その後、ノンタイトル戦を挟みながら、インターナショナル王座の防衛に2度成功しました。

勇利アルバチャコフとの激闘

1995年9月25日、無敗のまま世界初挑戦の舞台へ。東京で王者・勇利アルバチャコフに挑みましたが、12回判定で敗れ、プロ初黒星を喫しました。世界初挑戦失敗後、1997年1月まで8連勝を飾り、再び世界へのチャンスを掴みます。

1997年5月9日、母国タイでWBC世界フライ級暫定王座決定戦に出場。勇利に挑戦経験のあるイサイアス・サムディオ（米国）を12回判定で下し、見事王座を獲得しました。同年8月1日には初防衛に成功。そして、11月12日には札幌で勇利との王座統一戦に臨み、12回判定勝ち。2年前のリベンジを果たすとともに、正規王者に昇格しました。

王座陥落、そして再起

1998年、さらに2度の王座防衛を果たしましたが、同年12月4日、フィリピンの新鋭マニー・パッキャオに8回KO負けを喫し、世界王座から陥落しました。世界王座陥落後、2000年9月まで7試合を行い全勝。その後、2001年と2002年は試合から遠ざかりました。

2003年7月25日、2年10か月ぶりに試合を行い、3回TKO勝ちを収めます。同年9月5日には、ABCO（アジアボクシング評議会＝WBCの傘下組織）バンタム級暫定王座を獲得。3度防衛後の2004年7月に正規王者に認定され、その後4度目の防衛にも成功しました。

日本での戦い

2004年3月7日には、3度目の来日。岐阜で宇野スナオ（岐阜ヨコゼキ）と対戦し、10回判定勝ちを収めました。2回に首を掴まれて引き倒されたのをダウンとされたものの、5回にクリーンなダウンを奪い返すなどして試合を優位に進め、2-1の判定勝ちを収めました。2005年10月に王座を返上後、12月には4度目の来日。同12日に相澤国之と対戦しましたが、10回判定負けを喫しました。

その後

その後、2006年7月28日、ABCOスーパーフライ級暫定王座を獲得。9月7日には初防衛に成功しました。2007年10月24日、タイにてマービン・タンパス（フィリピン）と対戦、8回判定勝利。2008年8月30日、WBC世界フライ級王座陥落時以来、10年ぶりの世界戦。WBAスーパー・WBC世界スーパーフライ級王者クリスチャン・ミハレス（メキシコ）に挑戦しましたが、3回TKO負けで2階級制覇はなりませんでした。

通算成績は68戦64勝（39KO）4敗。

チャッチャイ・サーサクンは、その卓越した技術と不屈の精神で、多くのファンを魅了しました。

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