チャップリンのカルメン

『チャップリンのカルメン』は、チャーリー・チャップリンがエッサネイ社在籍時に手がけた13作目のサイレント映画です。1915年に2巻構成で公開されましたが、翌1916年にチャップリンがエッサネイ社を離れた後、同社はレオ・ホワイトが追加撮影した部分を加え、4巻構成に再編集して公開しました。この再編集版は、チャップリンの意向に反して製作されたものであり、彼はエッサネイ社に対し訴訟を起こしましたが、結果として敗訴しました。そのため、現在、私たちがビデオやDVDで鑑賞できるのは、この再編集された拡大版となります。

この作品は、プロスペル・メリメの小説『カルメン』、そしてジョルジュ・ビゼーによる同名のオペラを題材としています。チャップリンがこの作品を製作した背景には、当時非常に人気が高かったこれらの作品を、独自の喜劇として表現したいという強い意図がありました。また、同年公開されたセダ・バラ主演の『カルメン』や、セシル・B・デミル監督による『カルメン』の実質的なパロディとしても知られています。別邦題として『珍カルメン』というタイトルも存在します。

主な登場人物

衛兵の伍長ダン・ホーザリー（ドン・ホセのもじり）: チャーリー・チャップリン
カルメン: エドナ・パーヴァイアンス
ドン・レメンダード: ベン・ターピン
衛兵将校: レオ・ホワイト
闘牛士エスカミーリョ: ジョン・ランド
リリアス・パスタ: ジャック・ヘンダーソン
フラスキータ: メイ・ホワイト
衛兵: バド・ジェイミソン（フランク・J・コールマン）
放浪者: ウェズリー・ラッグルズ
ジプシー: ローレンス・A・バウズ


この映画は、チャップリンの初期の作品であり、彼の独特のユーモアと身体を使った演技が際立っています。特に、当時の人気作品をパロディ化するという手法は、彼の喜劇に対する斬新なアプローチを示すものと言えるでしょう。現在では、チャップリンの作品の中でも、特に初期のサイレント映画を研究する上で、重要な作品の一つとされています。

外部リンク

Charlie Chaplin’s Burlesque on Carmen - IMDb（英語）
Charlie Chaplin's Burlesque on Carmen - YouTube - BGM有り

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