チャップリン・レヴュー

『チャップリン・レヴュー』（The Chaplin Revue）は、チャールズ・チャップリンがファースト・ナショナル社時代に製作したサイレント映画3作品をまとめた再編集版であり、1959年に公開されました。収録作品は『犬の生活』(1918年)、『担へ銃』(1918年)、『偽牧師』(1923年)です。

再編集にあたり、チャップリンは現代の観客に受け入れられるように、自身で作曲した音楽とナレーションを作品に加えました。さらに、1918年に撮影された未公開のドキュメンタリー『映画の作り方』(How to Make Movies)の一部を冒頭に追加し、チャップリン・スタジオ内部の様子をコミカルに紹介しています。また、第一次世界大戦の資料映像も、チャップリン自身のナレーション付きで収録されています。

製作の背景

サイレント映画時代、チャップリンはハリウッドで最も人気のあるスターの一人でした。しかし、1950年代にはマッカーシズムの標的となり、家族と共にハリウッドを離れ、スイスへ移住します。その後、『殺人狂時代』、『ライムライト』、『ニューヨークの王様』といった作品を発表しますが、かつてほどの成功を収めることができませんでした。そこでチャップリンは、往年の人気を取り戻すため、「放浪者」のキャラクターを現代の観客に再認識させることを考えました。

その手段としてチャップリンが選んだのが、ファースト・ナショナル社時代の作品を再公開することでした。

1959年再編集時のスタッフ

監督・製作・脚本・オリジナル音楽作曲: チャーリー・チャップリン
編集: ポール・デーヴィーズ、デレク・パーソンズ
録音: ボブ・ジョーンズ
編曲: エリック・ジェイムズ、エリック・スピア
音楽指揮: エリック・ロジャーズ
チャップリンのアシスタント: ジェローム・エプスタイン

世間の反応

往年の作品の再編集は、チャップリンの熱狂的なファンや映画批評家からの批判を招きました。サウンドトラックを収録するにあたり、フィルムの映写速度が調整された結果、サイレント版に比べて動きが遅くなり、滑らかさが失われたことが批判の要因となりました。

アメリカの批評家ウォルター・カーは、「3作品全ての映画のリズムや、作品中のチャップリンの仕事のリズムが完全に破壊されている。チャップリンをこれから知ろうとする人はこのようなものではなく、オリジナルを見るべきだ」と酷評しています。

外部リンク

The Chaplin Revue - IMDb（英語）
How to Make Movies - IMDb（英語）
* How to Make Movies - Charlie Chaplin

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