チャトラパティ・シヴァージー・ターミナス駅

チャトラパティ・シヴァージー駅

チャトラパティ・シヴァージー駅（英語名: Chhatrapati Shivaji Terminus）は、インドのムンバイに位置する重要な鉄道駅です。ムンバイ近郊鉄道をはじめ、様々な長距離鉄道が乗り入れているこの駅は、かつて「ヴィクトリア駅」と呼ばれていました。駅は、2004年にユネスコの世界遺産に登録され、歴史的価値が認められています。

歴史的背景

この駅は、1853年にインド最初の鉄道駅として開業したボリバンダー駅の手狭さから、新たに建設されたものです。新駅舎の工事は1878年に始まり、1887年に完了しました。この年はヴィクトリア女王の即位50周年であり、ゴールデン・ジュビリーの祝典がインドでも行われたため、新駅は「ヴィクトリア駅」と名付けられました。当初、この駅にはグレート・インディアン・ペニンシュラ鉄道の本部が設置されており、インド西岸の鉄道路線の重要な起点となりました。

その後、1996年にはシヴ・セーナーの要請を受け、歴史的背景を考慮して「チャトラパティ・シヴァージー・ターミナス」と改名されました。この名前は、インドの17世紀の英雄的王、チャトラパティ・シヴァージーに敬意を表したものです。また、2008年にはムンバイ同時多発テロ事件の襲撃地点のひとつともなりました。

建築様式

駅舎は建築家フレデリック・ウィリアム・スティーヴンスによって設計され、その建築様式にはヴェネツィア・ゴシック様式の影響が色濃く表れています。また、ヴィクトリア朝のゴシック・リヴァイヴァル様式やインドの伝統的な建築要素も巧みに取り入れられており、ロンドンのセント・パンクラス駅からの影響も指摘されています。この美しい建築物は装飾性が非常に高く、完成までには約10年の歳月がかかりました。

駅の設備

チャトラパティ・シヴァージー駅には合計18のプラットフォームがあります。そのうち1～7番は近郊列車用、プラットフォーム8～18は長距離列車専用です。また、セントラルラインとハーバーラインの列車がここに乗り入れています。未来には、現在建設中のムンバイ・メトロ3号線との接続も予定されています。これにより、駅の利便性は一層向上することが見込まれています。

世界遺産登録基準

チャトラパティ・シヴァージー駅がユネスコに登録された理由は、主に次の2つの基準を満たしているためです。まず、建築や技術の発展について、人類の価値の重要な交流を示している点（基準2）、そして歴史的に重要な時代を痕跡づける優れた建築例として認められた点（基準4）です。

結論

チャトラパティ・シヴァージー駅は、その壮麗で歴史的な建築とともに、ムンバイの交通の要所として重要な役割を果たしています。この駅はただの交通機関の拠点であるだけでなく、インドの歴史や文化を感じられる場所でもあります。今後もその魅力は多くの人々を惹きつけ続けるでしょう。

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