ゴールデン・ジュビリー

ゴールデン・ジュビリー：50周年の祝典

ゴールデン・ジュビリー（Golden Jubilee）とは、特定の重要な出来事から50周年を記念する祝典のことです。この言葉は主に英語圏で使われますが、50年という節目を祝う文化は世界各地に存在します。特に、君主の在位50周年を祝う式典として知られていますが、国家の独立や重要な出来事の50周年も祝われることがあります。

イギリスと英連邦王国

イギリスと英連邦王国では、君主の在位50周年を記念してゴールデン・ジュビリーが開催されます。過去には、ジョージ3世、ヴィクトリア女王、エリザベス2世の治世50周年が祝われました。

ジョージ3世: 1810年に即位50周年を迎えるはずでしたが、1809年10月25日に前倒しで祝賀式典が行われました。
ヴィクトリア女王: 1887年6月20日に即位50周年を迎え、ヨーロッパ各国の王族を招いた祝宴を開催しました。しかし、この祝典の裏では、アイルランドの共和主義者による暗殺計画（ジュビリー・プロット）が存在していました。女王は非常に国民に人気があり、感謝の礼拝中にウェストミンスター寺院ごと爆破しようとする計画が立てられていたのです。
エリザベス2世: 2002年には在位50周年を迎え、盛大なゴールデン・ジュビリーが祝われました。

タイ王国

タイでは、国王の在位50周年を「カンチャナピセーク（กาญจนาภิเษก）」と呼び、盛大に祝います。特に、プーミポン・アドゥンヤデート国王（ラーマ9世）の在位50周年は、タイ史上初のゴールデン・ジュビリーでした。1996年6月9日に祝賀され、タイの歴史において最長の在位期間を誇る国王を祝福しました。この際には、世界最大の切子面付きダイヤモンド「ザ・ゴールデン・ジュビリー」が国王に献上され、現在も王室の装飾品として大切にされています。また、当時の首相と国民が一体となって数日にわたり祝賀しました。

中国

中国では、以下の皇帝の在位50周年が祝われました。

前漢の武帝: 紀元前91年に在位50年を記念しました。
清の康熙帝: 1711年に在位50年を記念しました。
清の乾隆帝: 1785年に在位50年を記念しました。

韓国

李氏朝鮮時代には、英祖が在位50周年を迎え、1774年に祝賀されました。

日本

日本では、天皇の在位50周年を「御在位五十年記念」として祝います。唯一の例として、昭和天皇の在位50周年記念式典が1976年11月10日に行われました。この記念事業の一環として、国営昭和記念公園が開園しました。

シンガポール

シンガポールでは、2015年にマレーシアからの独立50周年を記念して「Singapore50（SG50）」が発議されました。この祝賀のテーマは「Majulah Singapura - Our Golden Jubilee（進めシンガポール - 私たちのゴールデン・ジュビリー）」と題され、建国記念日のパレードなど、様々なイベントが開催されました。

その他の国々

多くの国々で、君主の在位50周年が祝われてきました。以下はその一部です。

ブルネイ：アブドゥル・ジャイルル・アクバル（1648年）、オマル・アリ・サイフディン1世（1790年）、ハサナル・ボルキア（2017年）
バイエルン：カール・テオドール（1792年）
ザクセン＝ヴァイマル＝アイゼナハ：カール・アウグスト（1826年）
オーストリア＝ハンガリー帝国：フランツ・ヨーゼフ1世（1898年）
バーデン：フリードリヒ1世（1906年）
リヒテンシュタイン：ヨハン2世（1908年）
モンテネグロ：ニコラ1世（1914年）
ノルウェー：ホーコン7世（1955年）
ブルンジ：ムワンブツァ4世（1966年）
エチオピア：ハイレ・セラシエ1世（1966年）
モナコ：レーニエ3世（1999年）
マレーシア・ケダ州：アブドゥル・ハリム・ムアザム・シャー（2008年）

これらの例からもわかるように、ゴールデン・ジュビリーは、単なる記念日ではなく、歴史的な節目を祝い、国家や社会の団結を象徴する重要な機会となっています。

関連事項

知命: 50歳のこと（『論語』に由来）
結婚記念日: 結婚50周年は金婚式と呼ばれる
ジュビリー: 記念の祝祭全般
シルバー・ジュビリー: 25周年記念祭
ルビー・ジュビリー: 40周年記念祭
ダイヤモンド・ジュビリー: 60周年記念祭
サファイア・ジュビリー: 65周年記念祭
プラチナ・ジュビリー: 70周年記念祭

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