チャンプ・ベイリー

チャンプ・ベイリー：NFLを代表する伝説のコーナーバック

チャンプ・ベイリー（Champ Bailey）は、1978年6月22日生まれ、ジョージア州フォークストン出身のアメリカンフットボール選手です。ポジションはコーナーバック（CB）で、その卓越した能力からNFLを代表する選手として名を馳せました。彼のニックネームである「チャンプ」は、母親が幼少の頃につけた愛称です。弟のボス・ベイリーもデンバー・ブロンコスでラインバッカー（LB）として活躍しました。

大学時代の活躍

ベイリーはジョージア大学に進学後、オフェンス、ディフェンス、スペシャルチームの全てで才能を発揮しました。2年次には全試合に出場し、サウスイースタン・カンファレンスのファーストチームに選出されるなど、早くからその実力を示しました。最終学年となった3年次には、ディフェンスで52タックル、3インターセプト、7パスブロックを記録する一方、オフェンスでは47キャッチ、744ヤード、5タッチダウンをあげるなど、驚異的な成績を残しました。さらに、キックオフリターンやパントリターンでも1試合あたり103.5ヤードを稼ぎ、オールアメリカやサウスイースタン・カンファレンスファーストチームに選ばれました。また、カレッジフットボールの年間最優秀守備選手に贈られるブロンコ・ナグルスキー賞を受賞するなど、大学フットボール界を席巻しました。

ジョージア大学での3年間で、ベイリーは33試合に出場（内24試合に先発出場）し、147タックル、2ファンブルリカバー、1ファンブルフォース、8インターセプト、27パスブロックという記録を残しました。また、大学の走幅跳室内記録を塗り替えるなど、アスリートとしても非凡な才能を発揮しました。

NFLでの輝かしいキャリア

1999年のNFLドラフトで、ベイリーは1巡目全体7位という高い評価を受け、ワシントン・レッドスキンズに入団しました。レッドスキンズでは2003年まで全試合に先発出場し、ワイドレシーバー（WR）、ランニングバック（RB）、リターナーとしても起用されるなど、そのユーティリティ性を示しました。ダレル・グリーンやディオン・サンダースといった名選手たちとチームメイトになり、才能を開花させていきました。

1999年には5インターセプト、1タッチダウン、1サックを記録し、2000年には5インターセプトをあげると共に3回のキャッチで78ヤードを獲得、65ヤードのパントリターンも見せました。この年から2007年まで、プロボウルに連続で選出されるなど、NFLを代表するコーナーバックとしての地位を確立しました。

2004年シーズン開始前、ベイリーはドラフト2巡目指名権とのトレードでデンバー・ブロンコスに移籍し、7年間6300万ドルという大型契約を結びました。ブロンコスでは、2005年にインターセプトリターンタッチダウンを2回記録。ニューイングランド・ペイトリオッツ戦では、トム・ブレイディのパスをインターセプトし100ヤードリターンしましたが、タッチダウンにはなりませんでした。しかし、このプレーはタッチダウンにならなかったプレーとしてはNFL記録となっています。

2006年1月14日のニューイングランド・ペイトリオッツとのディビジョナルプレーオフでは、トム・ブレイディのパスをエンドゾーンでインターセプトし、100ヤードリターンして敵陣1ヤードまでボールを戻しました。続くプレーでブロンコスはタッチダウンをあげ、ペイトリオッツのスーパーボウル3連覇の夢を打ち砕きました。2006年のレギュラーシーズンには10インターセプトを記録し、フィラデルフィア・イーグルスのアサンテ・サミュエルと並んでシーズンインターセプト記録を分け合いました。この年、ベイリーはサンディエゴ・チャージャーズのラダニアン・トムリンソン、マイアミ・ドルフィンズのジェイソン・テイラーと共に満票でオールプロに選出されました。また、この年彼は対峙したレシーバーに1本もタッチダウンを許しませんでした。

2007年には怪我のため84タックル、3インターセプトに終わりましたが、プロボウルに選出されました。シャットダウンコーナーバックとして相手QBから警戒され、2007年から2009年までのインターセプトは5回にとどまりました。

2009年、第4週のダラス・カウボーイズ戦では、自陣3ヤード地点でのインターセプト、第4Q残り9秒、自陣2ヤードからのパスを2度防ぐ活躍などを見せ、AFC週間MVP守備部門に選ばれました。

2010年には45タックル、1サック、2インターセプトを記録し、オークランド・レイダースのナムディ・アソムーアの代わりにプロボウルに選出されました。

2011年2月、ブロンコスと4年間4300万ドルで契約延長を果たしました。11月6日の第9週、オークランド・レイダース戦では2インターセプト、1ファンブルフォースの活躍を見せ、38-24での勝利に貢献しました。

2000年から2007年までプロボウルに8年連続で選出されており、NFCとAFCのいずれからも先発出場を果たしています。2012年までに12回プロボウルに選出されており、これはコーナーバックとしてのNFL記録となっています。

2013年は足の負傷のため、レギュラーシーズンでの出場は5試合にとどまりました。2014年3月5日、ブロンコスから解雇され、4月4日にはニューオーリンズ・セインツと2年契約を結びましたが、開幕ロースターに残れず8月30日に解雇されました。

2014年10月18日に引退を発表し、11月14日にブロンコスと一日契約を交わし、ブロンコスの選手として引退しました。

プレースタイルと人物

ベイリーは、NFLを代表するシャットダウンコーナーバックの一人として知られています。卓越した身体能力と高い技術に加え、相手の動きを読む力に長けており、多くのQBから恐れられました。

第44回スーパーボウルの勝敗予想を聞かれた際には、「（インディアナポリス・コルツのQB）ペイトン・マニングは並ぶものなき存在だ」と絶賛しました。

2011年6月、ロディ・ホワイトが選んだ現役CBとして、ダレル・リーヴィス、ナムディ・アソムーアに次いで3位にランクされました。

チャンプ・ベイリーは、その輝かしい実績と人柄で、多くのファンから愛されるNFLのレジェンドとして、その名を歴史に刻んでいます。

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