チャールズ・ベネット (格闘家)

チャールズ・クレイジーホース・ベネット：天才と狂気の狭間を生き抜いた格闘家

チャールズ・クレイジーホース・ベネット。その名は、総合格闘技史に、強烈なインパクトを残す異色のファイターを指す。1979年11月23日、アメリカ合衆国フロリダ州オカラに生まれた彼は、類まれな打撃センスと、予測不能な行動で知られる。ニックネームの由来である「クレイジーホース（暴れ馬）」は、彼のファイトスタイルと奔放な性格を的確に表している。

ベネットの武器は、天性の勘を活かしたフェイントから繰り出される、鋭い打撃。スタンドでの戦闘では圧倒的な強さを誇るが、寝技が苦手という弱点も持っていた。そのため、彼が長期参戦したPRIDEでは、序盤は優位に試合を進めながらも、グラウンドに持ち込まれると敗れるケースが多かった。

彼のキャリアは1999年9月1日に幕を開ける。その後、King of the CageやPRIDE、RIZINなど、数々のリングで活躍。PRIDE武士道では五味隆典、前田吉朗、三島☆ド根性ノ助ら強豪と対戦。金子賢との異色対決では一本勝ちを収めたものの、試合後の乱闘騒ぎにも巻き込まれた。RIZINでは木村ミノルをわずか6秒でKOする衝撃的な勝利も飾っている。ベネットの戦績は、勝利と敗北、そして数々のドラマを織りなすものだった。

ベネットは、その高い打撃スキルと、時に観客を驚かせる型破りな行動で知られる。しかし、彼のキャリアは、華々しい勝利だけでなく、数々のトラブルや事件にも彩られている。アメリカ合衆国のストリートギャング「ブラッズ」に所属していた過去や、数々の逮捕歴も公然の事実だ。

彼は、シュートボクセ・アカデミーのメンバー、特にヴァンダレイ・シウバとは激しい確執を持ち、度々衝突した。2005年12月31日の試合後には、バックステージでシウバと大乱闘を繰り広げた。この事件を境に、ベネットとシュートボクセ・アカデミーの関係は完全に破裂した。養育費未払いをめぐる訴訟問題や、空港でのパスポート没収による大会欠場など、私生活でも様々な問題を抱えていた。

ベネットの格闘家人生は、常に危険と隣り合わせだった。彼は、金子賢との対戦が決まった際に、「俳優がいきなり試合をするのはおかしい」と発言し、格闘技界への異論を唱えた。その発言からも、彼の型破りな性格と、既存の枠組みへの反骨心が垣間見える。

ベネットの格闘スタイルは、まさに予測不能。彼の試合を見ることは、常に興奮とスリルに満ちた、予測不可能な体験となるだろう。彼のキャリアは、成功と失敗、そして数々のドラマが複雑に絡み合った、唯一無二の物語だ。その生き様は、多くの格闘技ファンに、強烈な印象を残し続けている。

主な戦績（抜粋）

2004年10月14日：PRIDE 武士道 -其の伍- 五味隆典に敗北
2005年5月22日：PRIDE 武士道 -其の七- 前田吉朗に勝利
2005年12月31日：PRIDE 男祭り 2005 金子賢に勝利
2006年6月4日：PRIDE 武士道 -其の十一- 川尻達也に敗北
2016年9月25日：RIZIN FIGHTING WORLD GRAND-PRIX 2016 木村ミノルに勝利

関連情報

PRIDE 選手データ
RIZIN 選手データ
SHERDOG 選手データ

もう一度検索