PRIDE 武士道 -其の七-

PRIDE 武士道 -其の七-：中軽量級の激突と新たな時代の幕開け

2005年5月22日、東京都江東区の有明コロシアムにおいて開催された『PRIDE 武士道 -其の七-』は、日本の総合格闘技イベントPRIDEシリーズの中でも重要な大会の一つとして記憶されています。この大会は、それまでの武士道シリーズとは異なり、中軽量級の選手たちに焦点を当てた構成が特徴でした。日本の修斗やパンクラスといった格闘技団体を代表するトップ選手たちが、世界各国から集まった強豪たちと激しくぶつかり合う、まさに東西格闘技の頂上決戦の様相を呈していました。この大会は、後の武士道シリーズの在り方、ひいては日本の格闘技シーン全体に大きな影響を与えたと言えるでしょう。

五味隆典の圧倒的な勝利と物議を醸したKO劇

大会のメインイベントを飾ったのは、日本の格闘技界を代表する五味隆典選手と、ブラジルのシュートボクシング・アカデミー所属のルイス・アゼレード選手の対戦でした。試合は開始早々からアゼレード選手の鋭い打撃が五味選手を襲います。しかし、五味選手は持ち前のタフネスでこれを凌ぎ切り、得意のパンチを的確にヒットさせ、見事なKO勝利を収めました。この勝利により、五味選手のPRIDEにおける連勝記録は6に伸び、しかも全て1ラウンドKOという驚異的な記録を達成しました。しかし、試合終了のゴングが鳴った後も攻撃を続けたため、アゼレード選手のセコンド陣から猛抗議を受け、物議を醸す場面もありました。

PRIDE初参戦選手たちの躍動

今大会には、多くの選手がPRIDEに初参戦しました。中でも注目を集めたのは、アメリカ合衆国のフィル・バローニ選手です。バローニ選手は、日本の美濃輪育久選手を圧倒的なパワーでねじ伏せ、PRIDEデビュー戦を白星で飾りました。その豪腕から繰り出される打撃は、日本の観客に大きな衝撃を与えました。

また、GRABAKAを独立してからの初戦に臨んだ郷野聡寛選手も、桜井“マッハ”速人選手を破った実績を持つブラジルのクラウスレイ・グレイシー選手を相手に、冷静かつ的確なファイトで完封勝利を収め、PRIDE初勝利を掴みました。

さらに、修斗世界ウェルター級王者だった川尻達也選手や、桜井“マッハ”速人選手、長南亮選手なども、それぞれの実力を遺憾なく発揮し、勝利を収めました。これらの日本人選手の活躍は、日本の格闘技界の底力を改めて世界に示すものとなりました。

敗北を喫した選手たち

一方、パンクラスを代表する前田吉朗選手は、チャールズ“クレイジーホース”ベネット選手に敗北を喫しました。また、DEEPから参戦した三島☆ド根性ノ助選手、小見川道大選手、TAISHO選手も、それぞれ強豪相手に惜しくも敗れ去り、武士道での生き残りを懸けた戦いは、彼らにとって厳しい結果となりました。

まとめ

『PRIDE 武士道 -其の七-』は、中軽量級に特化したことで、新たな時代の幕開けを告げる大会となりました。五味隆典選手の圧巻の勝利、PRIDE初参戦選手の活躍、そして敗北を喫した選手たちの健闘など、数々のドラマが繰り広げられたこの大会は、日本の格闘技史にその名を刻むにふさわしい、記憶に残る一夜となりました。この大会の盛り上がりは、日本の総合格闘技界全体の活性化に大きく貢献し、後のPRIDEの発展にも繋がっていったと言えるでしょう。今後の格闘技イベントにも、この大会で見られたような、日本人選手と外国人選手との白熱した試合が期待されます。

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