チャールズ・E・ラフリン

チャールズ・エリオット・ラフリンの生涯と業績

チャールズ・エリオット・ラフリンは、1910年2月19日にノースカロライナ州ウィルミントンで誕生しました。彼はアメリカ海軍の少将として多くの業績を残しましたが、その中でも特に有名なのは、1945年に発生した「阿波丸事件」です。

前半生と海軍入隊

ラフリンは海軍兵学校（アナポリス）に進学し、テニスやバスケットボールに秀でた才能を示しました。1933年に卒業し、彼所在の「アナポリス1933年組」からは他にも数多くの優れた軍人が輩出されました。

卒業後、ラフリンは戦艦「ニューメキシコ」に配属され、のちに「原子力海軍の父」と呼ばれるハイマン・G・リッコーヴァー中尉のサポート役を務めました。1938年には潜水艦に転属し、「S-14」艦長として任務を開始します。彼は1942年中に4度の哨戒を実行し、その地味な活動ながらも評価を受けました。

クイーンフィッシュ艦長としての業績

ラフリンは後に「クイーンフィッシュ」の艦長に就任し、複数の哨戒任務で功績をあげます。初回の哨戒では海軍十字章を受章するなど、多くの戦果を挙げました。特に救助活動が評価され、仲間を救った功績が顕著でした。

1回目の哨戒

1944年8月4日から10月3日の間に行われた初回の哨戒では、ルソン海峡と南シナ海において他の潜水艦と共に行動し、重要な輸送船団を攻撃しました。その中でラフリンは捕虜救助の活動も行い、海軍十字章を獲得しました。

2回目の哨戒

次に行われた哨戒では、ウルフパックの指揮を執り、数隻の輸送船を撃沈します。この戦功により、再び海軍十字章に代わる金星章を受章しました。「クイーンフィッシュ」に対しては大統領殊勲部隊章も授与されました。

阿波丸事件

1945年2月24日から始まる4回目の哨戒で、ラフリンの命令により「クイーンフィッシュ」は緑十字船「阿波丸」を撃沈しました。この事件は大きな問題となり、ラフリンは軍法会議にかけられます。

事件に至る経緯では、ラフリンが受信した電文が誤解を招いたことが影響していました。彼は撃沈後に遭難者を救出したが、その後、阿波丸が撃沈されたことを知り愕然とします。軍法会議では「職務と合法的な秩序維持に過失があった」として有罪とされ、厳しい処分が下されました。

戦後の経歴

ラフリンはその後、海軍から外されましたが、再び航海に関わる役職を任されます。運動教官としても活動し、さらには潜水艦の指揮官としても功績を上げます。晩年には海軍区の司令官として、二度目のレジオン・オブ・メリットを受章し、退役しました。

晩年と追悼

ラフリンは退役後、家庭を持ち、日本への旅行をし、その復興ぶりに感銘を受けます。1989年に79歳で他界し、アナポリスに埋葬されました。彼の言葉は、阿波丸事件について「再び同じ状況で行動するだろう」と記録されています。彼の波乱万丈な生涯は、軍人としての責任と人間としての苦悩を映し出しています。

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