テウェルチェ族

テウェルチェ族：パタゴニアの先住民族

テウェルチェ族は、南アメリカのパタゴニア地方、具体的にはアルゼンチン南部からチリ中南部に広がる地域に居住する先住民族の総称です。「パタゴン族」とも呼ばれ、16世紀以降に南アメリカに到達したスペイン人の記録に登場する長身の人々は、このテウェルチェ族を指していたと考えられています。

歴史

テウェルチェ族は、長きにわたりパタゴニアの厳しい自然環境の中で独自の文化を育んできました。狩猟や採集を中心に生活し、遊牧的な生活を送っていました。しかし、ヨーロッパ人の到来以降、その生活様式は大きく変化しました。特に、19世紀後半から20世紀初頭にかけての白人入植の波は、テウェルチェ族の土地を奪い、文化的な変容を促しました。

文化

テウェルチェ族の伝統的な文化は、狩猟と密接に結びついていました。グアナコやレアなどの動物を狩り、その肉を食料とし、皮を衣服や住居の材料として利用していました。また、テウェルチェ族は優れた狩猟技術を持っており、弓矢やボラス（投げ縄の一種）などを巧みに使用していました。

言語

テウェルチェ族は、かつてチョン語族に属するテウェルチェ語を使用していました。しかし、アラウカナイゼーションの影響により、マプチェ語の一種を使うようになりました。実際に「テウェルチェ」という民族名自体がマプチェ語に由来します。言語の変化は、文化的な交流や影響の大きさを物語っています。

現在の状況

アルゼンチン人口統計局の2001年の統計によると、テウェルチェ族はアルゼンチンのチュブ州とサンタクルス州に約4,300人、チリに約1,637人が居住しています。しかし、伝統的な生活様式を維持することは難しくなっており、文化の継承が課題となっています。テウェルチェ族の文化を保護し、次世代に伝えていくための取り組みが求められています。

関連項目

パタゴニアン・ドッグ

外部リンク

Christine Papp: Die Tehuelche. Ein Ethnohistorischer Beitrag zu einer jahrhundertelangen Nicht-Begegnung (ドイツ語)
* Native Patagonians - Contains primary sources and reference material.

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