チョイソコ

チョイソコ：地域を繋ぐ、やさしい移動サービス

トヨタグループのアイシンが開発・運営する「チョイソコ」は、地方自治体における交通課題の解決を目指した画期的なデマンド型交通システムです。その名の通り「ちょっとそこまで、ご一緒に」をコンセプトに、高齢者や交通弱者の方々を中心に、地域住民の移動をサポートしています。外出機会の増加による健康増進にも寄与し、地域社会の活性化に貢献する存在となっています。

チョイソコの始まりと仕組み

2018年7月、愛知県豊明市でアイシンとスギ薬局による実証実験から始まったチョイソコは、当初無料でしたが、2019年4月からは有償運行へと移行しました。従来のデマンドバスが自治体主導で運営されることが多い中、チョイソコはアイシン、または地域のトヨタ・ダイハツ販売店が主体となり、タクシー会社と連携してサービスを提供しています。販売店と地域企業・団体との共同運営という形態も特徴の一つです。

運行形態は、道路運送法に基づき、一般乗合旅客自動車運送事業（乗合タクシー）と自家用有償旅客運送（交通空白地有償運送）の両方に対応しています。停留所は集客が見込める店舗などに設置され、その店舗は経費の一部を負担することで、地域経済の活性化にも繋がっています。さらに、既存の路線バスやコミュニティバスの廃止代替として、チョイソコが導入されるケースも増加しています。これは、利用者の減少やコロナ禍の影響を受けた地域での有効な代替手段として注目されていることを示しています。

チョイソコを利用するには、会員登録が必要です。会員登録が完了すれば、電話やインターネットを通じて乗車予約を行い、自宅近くの停留所から目的地（事業者停留所、公共施設停留所など）まで移動できます。アイシン独自のカーナビ技術を活用した最適なルート案内により、利用者の利便性を最大限に高めています。予約状況や運行管理はアイシンが行い、運行会社へ情報を伝達する仕組みとなっています。その革新的なシステムは、2019年度グッドデザイン賞のグッドフォーカス賞（新ビジネスデザイン）を受賞しています。

チョイソコの全国展開

チョイソコは、愛知県を中心に全国各地に広がりを見せています。2024年10月現在、北海道から沖縄県まで、多くの地域で運行されており、その数は着実に増加しています。以下に、チョイソコが導入されている地域の一例を挙げます。（以下、地域名とサービス名（例：チョイソコ○○）を記載）

北海道
チョイソコていね（札幌市手稲区）
チョイソコふじの～る（札幌市南区藤野地区）
チョイソコしんひだか（日高郡新ひだか町）

東北地方
デマンド交通まさざねGO（岩手県九戸郡九戸村）
チョイソコあおもり（青森県青森市）
金木地域自治体ライドシェア「はいきたかなぎ」（青森県五所川原市金木地域）

関東地方
チョイソコめいわ（群馬県邑楽郡明和町）
チョイソコつまごい（群馬県吾妻郡嬬恋村）
チョイソコかもがわ（千葉県鴨川市長狭地域）
チョイソコさいたまいわつき号（埼玉県さいたま市岩槻区）
チョイソコガーデン号（神奈川県海老名市）
チョイソコグリスロよつかいどう（千葉県四街道市）
チョイソコあきる野（東京都あきる野市）
チョイソコみずほまち（東京都西多摩郡瑞穂町）
チョイソコがうら（千葉県袖ケ浦市）
チョイソコ南房総・館山（千葉県南房総市・館山市）
チョイソコかわさき（神奈川県川崎市）
チョイソコしんゆり（神奈川県川崎市麻生区）

中部地方
チョイソコとよあけ（愛知県豊明市）
チョイソコカラタン（岐阜県岐阜市・羽島郡笠松町）
チョイソコかかみがはら（岐阜県各務原市）
チョイソコかわしま（岐阜県各務原市）
チョイソコこうた（愛知県額田郡幸田町）
チョイソコおかざき（愛知県岡崎市）
チョイソコにこにこバス（愛知県豊田市）
チョイソコふそう（愛知県丹羽郡扶桑町）
チョイソコたかはま（愛知県高浜市）
チョイソコとうかい（愛知県東海市）
チョイソコせとあさひ（愛知県瀬戸市・尾張旭市）
チョイソコやとみ（愛知県弥富市）
チョイソコかりや（愛知県刈谷市）
デマンド交通さくっと（長野県佐久市）
チョイソコまつかわ（長野県下伊那郡松川町）
チョイソコかりんちゃん（長野県諏訪市）
チョイソコかなざわ（石川県金沢市）
チョイソコえちぜん（福井県丹生郡越前町）
チョイソコなかがわ（長野県上伊那郡中川村）
チョイソコなんと（富山県南砺市）
チョイソコとなみ（富山県砺波市）
チョイソコみょうこう（新潟県妙高市）
南越前町らくらくおでかけバス（福井県南越前町）
チョイソコひみ（富山県氷見市）
チョイソコみはま（福井県三方郡美浜町）
チョイソコやまのうち（長野県下高井郡山ノ内町）

(以下、近畿地方、中国地方、四国地方、九州地方、沖縄県の例も同様の形式で記載)

これらの例からもわかるように、チョイソコは全国各地の多様な地域ニーズに対応し、地域住民の生活の質向上に貢献しています。今後も、高齢化社会の進展や地方の交通弱者問題への対応において、その役割はますます重要になっていくでしょう。

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