ツィンメルベルクベーストンネル

ツィンメルベルクベーストンネル（Zimmerberg-Basistunnel）

ツィンメルベルクベーストンネルは、スイスのチューリッヒとタルヴィルを結ぶ重要な鉄道トンネルであり、全長は20kmに及びます。このトンネルは、二つの主要な区間に分かれています。最初の区間、通称ステージ1（ZBT1）は9.4kmで、既に運用が開始されており、交通の効率を大きく改善しました。

ステージ1の概要

ステージ1は、チューリッヒとタルヴィルを結ぶ役割を果たし、バーン2000計画の一環として建設されました。このトンネルの開通により、長距離列車の運行時間が大幅に短縮され、所要時間が2～3分程度短くなります。また、この新トンネルの開通によって、既存の旧トンネルを経由するSバーンの増便が可能となり、より多くの乗客が便益を受けることが期待されています。

ステージ2の計画

ステージ2（ZBT2）は、タルヴィルからツークへの北側に位置するリッティまでを結ぶ予定の区間です。この部分はアルプトランジット計画の一環として計画されており、完成時にはさらなる利便性が確保されることとなります。具体的には、ニーデルバット（Nidelbad）の分岐点がすでに建設済みですが、全体の完成は未だに延期されています。これは、財政的な問題が関連しているためであり、連邦参事会はその状況を再評価する必要があるとしています。特に、チューリッヒ州とツーク州の当局者は、ステージ2の推進を強く訴えています。

トンネル建設の実施

ステージ1の建設は、トンネルボーリングマシンによって主に進められました。建設中に発生した残土は、鉄道を利用して搬出されました。このトンネルは、160km/hでの運行を想定して設計されており、二つの渡り線も備えています。特に、チューリッヒ - ヴィーディコン（Wiedikon）間における掘削では、地表までの距離が非常に近く、地下水の影響による軟弱な地盤のため、大変な難工事となりました。

事故について

2006年4月11日には、トンネルを通過中のチザルピーノ列車が推進装置の故障により立ち往生する事故が発生しましたが、幸いにも大きな事故には至らず、乗客は非常脱出口を利用して安全に避難することができました。これにより、トンネルの安全性が強く求められることとなりました。

結論

ツィンメルベルクベーストンネルの建設及び運用は、スイスの鉄道網の整備と効率化に大きく貢献しています。その重要性は、公共交通の利用促進だけでなく、広範な地域社会の交通便益に寄与しています。今後のステージ2の完成が待たれるところです。

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