ツール・ド・フランス2017

ツール・ド・フランス2017：激闘の軌跡

ツール・ド・フランス2017は、記念すべき第104回目のレースとして、2017年7月1日から7月23日まで開催されました。ドイツのノルトライン＝ヴェストファーレン州、デュッセルドルフをスタート地点とし、フランスの首都パリをゴールとするコースで、数々のドラマと激戦が繰り広げられました。

レース概要

当初、レースはイギリスのロンドンをスタートする予定でしたが、運営に必要な資金の問題から開催を辞退。その後、デュッセルドルフが新たなスタート地点として選ばれ、同市内のデュッセルドルフメッセを発着点とする個人タイムトライアルで幕を開けました。ドイツでのグランデパールは30年ぶり4回目、東西ドイツ統一後では初の出来事でした。

注目選手たちの動向

総合優勝争い

総合優勝候補の筆頭は、前回大会の覇者であるクリス・フルーム（チームスカイ）。3連覇を目指して出場しましたが、コースレイアウトが彼向きではないという見方も存在しました。対抗馬としては、ジロ・デ・イタリアで総合2位となったナイロ・キンタナ（モビスター）、前回大会で総合2位と躍進したロマン・バルデ（AG2R・ラ・モンディアル）、そして過去に2度の優勝経験を持つアルベルト・コンタドール（トレック・セガフレード）らが挙げられました。

ポイント賞争い

2012年から全てのツールでポイント賞を獲得しているペーター・サガン（ボーラ＝ハンスグローエ）が、今年も圧倒的な候補として注目されました。彼に挑むのは、登りスプリントでサガンを打ち破る力を持つマイケル・マシューズ（サンウェブ）や、過去に区間2勝を挙げているエドヴァルド・ボアッソン・ハーゲン（ディメンションデータ）などでした。

山岳賞争い

山岳賞は、例年予想が難しい争いです。前回大会で山岳賞を獲得したラファウ・マイカ（ボーラ＝ハンスグローエ）は総合成績を狙うため、トーマス・デ・ヘント（ロット・ソウダル）、ピエール・ロラン（キャノンデール・ドラパック）、ティボー・ピノ（FDJ）らが有力視されました。

新人賞争い

前回大会で新人賞を獲得したアダム・イェーツ（オリカ・スコット）は欠場となりましたが、兄のサイモン・イェーツ（オリカ・スコット）が新人賞と総合成績を狙いました。また、ルイス・メインチェス（UAEチーム・エミレーツ）もアフリカ人初の4賞ジャージ獲得を目指しました。

レース展開と各ステージのハイライト

レースは、降雨による落車が続出する波乱の幕開けとなりました。第1ステージでは、ヨン・イサギレ（バーレーン・メリダ）とアレハンドロ・バルベルデ（モビスター）がリタイア。ゲラント・トーマス（チームスカイ）が区間優勝を果たしました。

その後も、マルセル・キッテル（クイックステップ・フロアーズ）の区間2勝や、ペーター・サガンのステージ優勝などがありましたが、第4ステージではサガンが失格となる事件が発生。第5ステージでは、ファビオ・アル（アスタナ）が区間優勝を飾り、フルームがマイヨ・ジョーヌを獲得しました。

クイーンステージと目された第9ステージでは、超級山岳が連続する厳しいコースとなり、リッチー・ポート（BMCレーシング）が落車リタイア。リゴベルト・ウラン（キャノンデール・ドラパック）がステージ優勝を果たしました。

ピレネー山脈での戦いでは、ロマン・バルデ（AG2R・ラ・モンディアル）がステージ優勝。第17ステージでは、プリモシュ・ログリッチ（ロットNL・ユンボ）がスロベニア人として初のツール区間優勝を飾りました。

最終日前日の個人タイムトライアルでは、マツィエイ・ボドナル（ボーラ＝ハンスグローエ）がステージ優勝。フルームが総合優勝をほぼ確定させました。

最終ステージは、ディラン・フルーネヴェーヘン（ロットNL・ユンボ）が制し、クリス・フルームが総合優勝を果たしました。

最終成績

クリス・フルーム（チームスカイ）が総合優勝、マイケル・マシューズ（サンウェブ）がポイント賞、ワレン・バルギル（サンウェブ）が山岳賞、サイモン・イェーツ（オリカ・スコット）が新人賞を獲得しました。

ツール・ド・フランス2017は、数々のドラマと激戦が繰り広げられた、記憶に残る大会となりました。

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