ティーノ島

ティーノ島は、イタリアのリグーリア海岸、ラ・スペツィア湾の入り口に位置するスペッツィーノ諸島に属する小さな島です。行政的にはリグリア州ラ・スペツィア県ポルトヴェーネレに属し、近隣のパルマリア島やティネット島と共に、ユネスコの世界遺産「ポルトヴェーネレ、チンクエ・テッレと小島群」を構成しています。

地理
ティーノ島の面積はわずか0.13平方キロメートルで、スペッツィーノ諸島最大のパルマリア島の南に位置します。さらに南には、より小さなティネット島があります。この地域は軍事区域の一部であり、灯台が設置されています。国際水路機関（IHO）の定義によれば、パルマリア島、ティネット島と共に、リグリア海とティレニア海の境界を形成しています。

歴史
ティーノ島は、ラ・スペツィア湾の守護聖人である聖ウェネリウスと深い関わりがあります。聖ウェネリウスは、当初隠者として、後に修道院長としてこの島で生涯を過ごしたと伝えられています。彼の没年は630年とも言われていますが、確かな資料は少なく、9世紀の人物であるという説もあります。毎年9月13日には、彼の聖名祝日を祝う行事が行われます。聖ウェネリウスが没した場所は聖地となり、11世紀には彼の聖遺物を納めるための修道院が建設されました。修道院の遺跡は、島の北岸で見ることができます。1997年、ティーノ島を含む一帯が世界遺産に登録され、その文化的・歴史的価値が国際的に認められました。

世界遺産登録について
ティーノ島を含む「ポルトヴェーネレ、チンクエ・テッレと小島群」は、以下の世界遺産登録基準を満たし、登録されています。

(2) ある期間を通じて、またはある文化圏において、建築、技術、記念碑的芸術、都市計画、景観デザインの発展に関し、人類の価値の重要な交流を示すもの。
(4) 人類の歴史上重要な時代を例証する建築様式、建築物群、技術の集積または景観の優れた例。
(5) ある文化（または複数の文化）を代表する伝統的集落、あるいは陸上ないし海上利用の際立った例。もしくは特に不可逆的な変化の中で存続が危ぶまれている人と環境の関わりあいの際立った例。

ティーノ島は、その歴史的背景と自然が調和した美しい景観により、世界遺産として保護されるべき貴重な場所です。灯台の存在は、この島が海上の重要な地点であることを示し、修道院の遺跡は、歴史の証人として今も静かに佇んでいます。

補足
ティーノ島は軍事区域であるため、一般の立ち入りは制限されている場合があります。
聖ウェネリウスに関する情報は、資料が少ないため、複数の説が存在します。
世界遺産登録は、この地域の文化遺産と自然環境を保護するための重要な措置です。

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