テイラー (フリゲート)

アメリカ海軍フリゲート「テイラー」（USS Taylor, FFG-50）

「テイラー」は、オリバー・ハザード・ペリー級ミサイルフリゲートの40番艦として、アメリカ海軍にその名を刻みました。艦名は、ベトナム戦争で勇敢に戦い、その死後に海軍十字章を授与されたジェシー・J・テイラー海軍中佐に由来します。この艦名を持つ艦としては3隻目となりますが、それぞれの由来は異なっています。

アメリカ海軍での艦歴

1983年5月5日、メイン州バスのバス鉄工所で起工された「テイラー」は、同年11月5日に進水し、1984年12月1日にアメリカ海軍へ就役しました。命名式では、テイラー中佐の未亡人であるバーバラ・A・テイラー氏と、その花嫁付添人であるダイアン・テイラー＝オウランド氏によって、その名が公式に与えられました。

1985年から1993年まで、「テイラー」はサウスカロライナ州チャールストンを母港とし、大西洋常設海軍部隊の一員として1987年には北欧方面へ展開しました。1988年にはアーネスト・ウィル作戦に参加し、ペルシャ湾での活動も行っています。

1993年には、母港をフロリダ州メイポート海軍補給基地に移し、第24駆逐戦隊に所属しました。2008年8月には、NATO所属のドイツ、スペイン、ポーランドのフリゲートと共に黒海での演習に参加するため、ボスポラス海峡を通過しました。この演習は2007年10月の時点で計画されていましたが、南オセチア紛争の影響を懸念したロシアから、情勢への影響について懸念が表明されました。2010年9月には、ロシアの戦略爆撃機Tu-95に接近される事態も発生しました。

2014年1月8日、「テイラー」は第5、第6艦隊への配備という最後の任務のため、母港を離れました。2月にはソチオリンピックの支援のため、第6艦隊旗艦である揚陸指揮艦マウント・ホイットニーと共に黒海へ入りました。しかし、2月12日にはトルコのサムスン沖で停泊中に座礁事故を起こし、艦長デニス・ヴォルペ中佐が更迭されるという事態になりました。

台湾海軍への移籍

2014年12月4日、アメリカ上院は「テイラー」を含む4隻のオリバー・ハザード・ペリー級フリゲートを台湾へ売却する法案を可決しました。2015年5月8日にアメリカ海軍を退役した後、Mk.13 Mod.4発射機やMk.92 STIR FCSなどの再装備、衛星通信アンテナの換装といった大規模な改修工事が行われました。

2017年5月13日、「テイラー」は高雄市の左営海軍基地へ回航され、「銘傳（Ming Chuan, PFG-1112）」と改名し、中華民国海軍に引き渡されました。再就役後には、76mm速射砲の砲塔がステルス性の高い多面体の砲塔に換装されています。

2018年11月8日には、左営基地で就役式が行われ、澎湖諸島の馬公港を母港とする海軍146艦隊に配属されました。

「テイラー」は、アメリカ海軍のフリゲートとして、また台湾海軍の「銘傳」として、その役割を全うし、両国の海軍史にその名を刻みました。

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