テネシー (装甲艦・2代)

CSS テネシー

CSS テネシーは、南北戦争中にアメリカ連合国海軍のために建造された砲郭型の装甲艦です。この艦船は1864年2月16日にアラバマ州セルマで正式に就役し、のちに北軍に鹵獲され、USS テネシーとして知られるようになりました。建造は1862年10月に始まり、船体の製作と木材部分の工事はヘンリー・バセットによって行われました。

装甲艦としてのテネシーは、特異な3層装甲を特徴としており、これは当時の同型艦であるCSS ハンツビルやCSS タスカルーサとは異なります。装甲板は厚さ2インチ、幅10インチの鉄で作られ、アラバマ州シェルビーのシェルビー鉄工所で製造されました。テネシーの艦長として指揮を執ったのはフランクリン・ブキャナン提督であり、彼は艦の建造と運用に深く関与していました。

戦闘における活動

テネシーは1864年8月5日にモービル湾の海戦に参加し、その際の指揮官としてブキャナン提督率いる南軍の艦隊が北軍艦隊に立ち向かいました。北軍の艦隊は、指揮官デヴィッド・ファラガットによる強大な力を背景に、モービル湾に進出してきます。テネシーは近距離から猛烈な砲撃を行い、南軍の艦艇は激しい戦闘の中で沈没または行方不明となりました。最終的に、テネシーは北軍艦艇の集中攻撃を受け、操舵機構が破損し、動けなくなってしまいました。この状況により、テネシーは降伏を余儀なくされ、北軍の捕虜となりました。

北軍に鹵獲後の経過

北軍に鹵獲された後、テネシーは迅速に修理され、合衆国海軍に所属することとなりました。新たに艦長として任命されたのはピエール・ジロード大尉で、テネシーは8月23日のモーガン要塞を攻撃する際には合衆国海軍の一員として重要な役割を果たしました。攻撃の結果としてモーガン要塞は降伏し、この戦果は北軍の戦局における重要な勝利となりました。秋には艦艤装や修理を経て、テネシーはニューオーリンズに移動し、ミシシッピ川艦隊に加わりました。

戦後の動向と解体

1865年4月の戦争終結後も、テネシーはしばらくの間ミシシッピ川に留まり、1865年8月19日に退役しました。その後、ニューオーリンズでドックに保管され、1867年に売却されることとなります。売却先はJ.F. アームストロングで、船体は解体されましたが、艦に搭載されていた一部の武器は現在もワシントン海軍工廠の兵器博物館で展示されるなど、テネシーの歴史を伝えています。特に、7インチブルック施条砲や6.4インチブルック施条砲は貴重な歴史的遺産としてすでに展示されています。

このように、CSS テネシーは南北戦争の海軍戦力の象徴的存在であり、その戦場での活躍と艦船としての生涯は、今なお人々の記憶に刻まれ続けています。

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