テヒグラム

テヒグラムとは

テヒグラムは、大気の熱力学的状態を示す特別なグラフで、主に気象予測の分野で使用されています。別名テフィグラムとも呼ばれるこの図は、斜め方向に引かれた直線の軸によって構成され、気温を示す等温線や温位を示す等温位線が描かれます。ここでの温位とは、エントロピーと関連しており、等温位線は「等エントロピー線」とも称されます。テヒグラムの名称は、気温を表す「temperature」とエントロピーを表す「entropy」、接尾辞の「gram」を組み合わせた結果生まれました。

テヒグラムの構成

テヒグラムには、気温や温位の他にも、一部の特性が線で示されています。たとえば、高度を表す等圧線、湿潤断熱減率を示す湿潤断熱線、乾燥断熱減率を表す乾燥断熱線、そして飽和比湿を示す飽和比湿線が含まれます。これにより、気象データが視覚的に理解しやすくなります。テヒグラムは通常、高層気象を観測するためのラジオゾンデから取得した、各気圧での気温や露点温度のデータを基に描かれます。

CAPEの算出

テヒグラムを作成した後、対流有効位置エネルギー（CAPE）が算出されます。CAPEは予測する上で重要な指標であり、通常は図上の面積を計算することで導き出されます。この方法により、エネルギーの大小がグラフの面積と一致するため、算出が容易になります。また、一部のテヒグラムには、各高度での風向を示す矢羽が描かれることがあります。これは、上空の風の影響を考慮して時間の補正を行うためです。

歴史と普及

テヒグラムの考案者はイギリスの気象学者、ネイピア・ショー（Napier Shaw）であり、1915年に初めてイギリスとカナダで使用されました。このグラフの採用は、エネルギーに関連する対流有効位置エネルギーを効果的に算出できることが大きな理由でした。その後、他の国々でも類似のグラフが発展し、微細な点は異なるものの、テヒグラムは世界中で広く受け入れられることになりました。

参考文献とリンク

テヒグラムに関する詳しい情報は、特定の文献やウェブサイトで入手できます。特に、イギリスの気象学者によって書かれた「Short Course in Cloud Physics」や「Atmospheric Thermodynamics」などの書籍が参考にされています。また、テヒグラム用紙をPDF形式でダウンロードすることも可能で、大学の気象学部などが提供しています。

関連項目

テヒグラムに関連する他の図表には、熱力学ダイアグラムやエマグラム、大気の安定度に関するものがあります。これらも気象の理解を深めるために重要な役割を果たしています。

もう一度検索